『インデペンデンス・デイ』とは、一般的にアメリカの独立記念日(7月4日)のことを指します。
本作では宇宙人が、アメリカの独立記念日の2日前に攻めてきました。
そして人類の存亡をかけた戦いということもあり、アメリカと人類の独立記念日とかけて、このタイトルになりました。
人類の独立記念日という言葉は、作中でも大統領が最終決戦に向かう演説で話しています。
胸を打つ言葉だと記憶している人もいるのではないでしょうか。
ちなみに、本作のアメリカでの公開日は7月2日です。
当初7月3日を予定していたそうですが、前評判が良かったこともあり、宇宙人が襲来した日付に合わせられました。
本作での宇宙人の襲来と同じ日に公開することで、現実と映画をリンクさせるという制作者の粋な計らいといえます。
一人一人が自立した日
本作はアメリカの独立記念日と人類の独立の意味を込めて、このタイトルとなりました。
しかし本作を観ると、アメリカと人類以外の「インデペンデンス」がみられます。
「インデペンデンス(independence)」の「独立」以外の意味は「自立」です。
本作に登場する、主要なキャラクターは何かしらの事情を抱えています。
妻や恋人との関係、現在の自らの地位など、登場人物たちの不安定な姿が序盤に描かれました。
しかし世界の危機に、団結して宇宙人に立ち向かうことで、登場人物たちも「自立」することになったのです。
本作の撮影技術の高さについては言及してきました。
しかし本作は映像だけでなく、登場人物一人一人の物語もしっかりと作り込まれていることがわかります。
本作と『宇宙戦争』との共通点
1900年代のSF映画が好きな方は、本作と『宇宙戦争』が似ていることにお気づきではないでしょうか。
ここでは本作と『宇宙戦争』との共通点をみていきましょう。
- 最後は人類のコンピューターウイルスで勝利する。
- 宇宙人に核攻撃が通用しない。
- エル・トロ基地が使用される。
物語の展開や設定だけでなく、撮影地にも同じ場所を使用した本作。
エル・トロ基地は閉鎖されて今でこそ、映画の撮影にもよく使われる基地です。
しかし『宇宙戦争』や本作が撮影された時点では、現役の空港でした。
現役の、同じ空港を撮影地に使うあたりは、単なる偶然とは思えません。
ローランド・エメリッヒ監督は、『宇宙戦争』から構想を得た可能性があるといえます。
本作が最低脚本賞にノミネート
CG技術とミニチュア模型を組み合わせた撮影は、宇宙人の襲来をよりリアルに描き出しました。
本作が映画の評価の対極ともいえる賞2本にノミネートされていたことはご存知だったでしょうか。
アカデミー賞では視覚効果賞を受賞。興行的にも大成功を収めた。一方で「陳腐なストーリー」という批判から第17回ゴールデンラズベリー賞最低脚本賞にノミネートされたが、こちらは受賞しなかった。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/インデペンデンス・デイ
圧倒的な映像技術が評価された一方、宇宙人の襲来という典型的なパニックものだと評されることにもなりました。
評価され高い興行収入を出す映画も観る人によって、評価が分かれることがよく分かる事例です。
撮影方法の裏側や実際に使われた基地など知って観ると、本作をいつもと違って楽しむことができます。