彼らは時期が来れば生み出され、そして消えていく存在です。

その中で隕石と結合出来たものだけが、星となって誕生していきます。

本作品で二人は特別な存在として描かれていますが、果てしない生命誕生の歴史の中では、必然的で繰り返される存在なのです。

海と空は誕生が目的

缶バッジ「海獣の子供」03/空

海と空は何の為に生まれ、どんな運命を担っていたのでしょう。

子宮の中の卵子

彼らの存在をわかりやすく例えるなら、子宮の中で受精を待つ卵子といえます。

おそらく人の姿をとっていなくても、海中には海や空のような存在が沢山いるのでしょう。

皆が一つの隕石(神の精子)を求めており、今回選ばれたのが「海」だったわけです。

空が海に隕石を譲った理由

彼らが受精を待つ卵子の存在だとしたら、なぜ空は海に隕石を渡したのでしょう。

本来なら自分が使い星となりたいはずです。

隕石を渡した理由はおそらく、選ばれしものが「海」であることを空は感じとっていたのかもしれません。

また台風によって海に異変が起きますが、原作では台風を精霊の舟とよび様々なものを運んでくるとしています。

台風が来たことで、空は海が選ばれしものであると知ったのかもしれません。

誕生祭の為の子供

劇中に使用されている歌に注目してみます。

星の 星々の 海は生みの親

引用:海獣の子供/配給会社:東宝映像事業部

印象的な歌ですが、そのままの意味で解釈すると海と空は星の誕生に必要な存在となります。

地球のような星になることが目的といえるでしょう。

隕石と結合し誕生出来たら星となり天で育つ、そしていつか自らの星で海を作り生命を誕生させる。

この歌こそが、彼らの目的です。

ジュゴンは神の使い

映画チラシ 海獣の子供 芦田愛菜

海獣とは海の哺乳類のことを指していますが、ジュゴンはまさに海獣です。

神からの授かりものともいえる海と空はなぜジュゴンによって育てられていたのでしょう。

日本の「神武東征神話」では海の神

日本の初代天皇といわれる神武天皇の説話集「神武東征神話」にもジュゴンは登場しています。

神武天皇を生んだのがジュゴンの姉妹(海神)なのです。

ジュゴンは昔から、海の神としてあがめられています。

いいかえれば海という宇宙の子宮を守る神という存在です。

ジュゴンは人魚のモデル

ジュゴンは人間のような姿で子供に授乳する生き物です。

これが基になり人魚のモデルといわれています。

温和で人のような行動をするジュゴンは海と空を育てるというキャラクターにピッタリだったのではないでしょうか。

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ラストシーンが語るもの

海獣の子供(5) (IKKI COMIX) Kindle版

「海獣の子供」はエンドロールの後に全ての回答が隠されていました。

空は死んでいない

劇中で海と空は光となって消えていきました。

隕石と結合した海は星となって天に昇って行ったと考えられます。

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