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ポン・ジュノ監督は、日本の是枝裕和監督とも交流のある韓国映画界の名匠です。

奇しくも是枝監督は2018年、ジュノ監督は翌年にカンヌ映画祭の最高賞を獲得しました。2人共に今や世界の名匠ともいえる監督でしょう。

そんなジュノ監督が2009年に作ったのが本作『母なる証明』です。日本では評価がはっきり二分される作品になったといえるでしょう。

後味の悪いミステリー・いわゆるイヤミス映画だという非難がある一方、母性を深く掘り下げた作品だという絶賛の声もありました。

母親やトジュンの生い立ち・大切な場面に出てくる針箱の真意・2度に渡って母が涙した理由

こういった糸口から本作『母なる証明』をじっくり見てゆきましょう。

母の生い立ち

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『母なる証明』は何といってもキム・ヘジャ演じる母親が絶対的な存在感を放っています。

知的障害のある息子・トジュンを1人で懸命に育てる姿はまさに清貧の鑑でした。

そんな母の生い立ちは作中ではまったく明らかにされていません。なぜトジュンが母子家庭になったのかさえも分かりません。

ジュノ監督のオリジナル作品なので原作もなく、ここは推測するしかないでしょう。母は漢方薬の店を細々と経営しています。

その質素な店構えやトジュンの悪事のために借金をすることなどから、ギリギリの生活であることがうかがわれます。

はり師の顔も持ちますが、正式に届出を出さない闇営業の形で針治療を行っています。

そんな現状から推測するに、母親は子どもの頃から貧しくも逞しく強かに生きてきたのではないでしょうか。

母の強さの根源にあるものは

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日本でも「母は強し」などといいますが、この映画の母はその域を遥かに超えていました。その強さの根源に迫りましょう。

トジュンの哀しい生い立ち

映画は中盤に来て、驚きの事実にぶつかります。それはトジュンが5才のとき母親に殺されかけたということです。

幾つになっても一緒に寝るほど母は息子を溺愛しているため、それは意外すぎる過去でした。母は貧しさから幼い息子と心中しようとしたのです。

成人後トジュンは突然その記憶を思い出します。その際の母の異様な取り乱し方は、それまでずっとそれを気に病んできたことを明白に伝えます。

母の強さの元にある罪逃れのエゴ

心中に用いた農薬は薄いものだったので母とトジュンは死なずに済みました。しかしここで明白に推測できることがあります。

農薬がトジュンの精神病の原因になったのではということです。当然、農薬は毒物なので子どもの脳に損傷を与えても不思議ではありません。

映画ではそれが明かされていません。しかしもしそうであれば母親のトジュンへの異様な溺愛ぶりに別の見方ができます。

母は子どものときに精神病者にした罪悪感から息子にひときわ大きな愛情を注いでいたのではないでしょうか。

そうなると母の並々ならぬ強さは純粋な母性愛からきたものではないことになります。

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