ユダヤ人差別は日本ではピンときませんが、世界的には大きな問題になっています。
キリスト教にとってユダヤ人はキリストを裏切ったひどい奴という宗教的思想があるのです。
また近年では、ユダヤ人は皮肉屋でお金にきたないという理由で嫌われているようです。
偏見と現実が差別を助長していることを風刺した冒頭シーンになっています。
「White trash name」は低所得者
劇中でキラキラネームという単語が出てきますが、これは日本特有のものです。
実際は「White trash name(クズな白人の名前)」といっています。
アメリカではキラキラネームのような名前を付ける人物は低所得者に多いようで、それをストレートに皮肉っていました。
実際、ジョン・ベネットがあげた名前の人は苦笑いするしかないですね。
アルフと間違えてた
Ed thought I was ALF…
he thought ALF was Jewish for some reason…引用:テッド/配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ,東宝東和
テッドは自分が皮肉屋のアルフ(宇宙人キャラクター)と間違われたといっています。
更に(アルフが皮肉を言うから)ユダヤ人だと思われたのです。
このセリフの裏には、ユダヤ人が皮肉屋であるというブラックジョークが隠されています。
日本語訳では下記のようになっていました。
俺をアルフと間違えてた。目がテンだったよ
引用:テッド/配給会社:ユニバーサル・ピクチャーズ,東宝東和
実はこの日本語のセリフもかなりブラックなのをご存知ですか。
アルフは皮肉屋としたところで、ユダヤ人を「目がテン」に置き換えています。
この「目がテン」は所ジョージのことです。
日本語字幕監修をした町山智浩は、当初所ジョージの名を使おうとしていたのですが、配給会社に止められたのだそうです。
そして苦肉の策が「目がテン」なのですね。
病気の表現はブラック過ぎた
原文には病気のネタも使用されていましたが、日本版ではさすがに言い換えられていました。
ジョン・ベネットのダンスを盆踊りだったというセリフですが、元はパーキンソン氏病みたいだったといっています。
更におならの爆発で死んだレックスは、難病ルー・ゲリック病で死んだことになっています。
実際に苦しんでいる患者さんを思うと、さすがにブラック過ぎますね。
「テッド」の声優は監督
「テッド」の中で話題のひとつとなったのが監督であるセス・マクファーレンの存在ではないでしょうか。
彼は何とテッドの声を担当し、制作や監督そして声優も自らこなしていたのです。
日本語版の吹き替えは劇場版とPG12版テレビ版をタレントの有吉弘行が担当し、PG12版映画を声優の遠藤純一が担当しています。
日本では過激すぎる内容に「大人になるまで待てない!バージョン」を別に編集し内容を一部変えて放送しました。
コメディ全開でも感動する傑作映画
「テッド」はブラック過ぎるコメディ映画ですが、なぜか大きな感動を得ることが出来ます。
テッドは、だめなくまでも友を想う気持ちは一流のものを持っているのです。
テッドの持つ純粋な気持ちが、ブラックジョークを丸く収めているのかもしれません。
日本映画では味わえない痛烈な笑いを提供する貴重な映画ではないでしょうか。