注目キーワード
  1. 映画
  2. シネマ
  3. 洋画
  4. 邦画

【名探偵コナン 天国へのカウントダウン(ネタバレ)】哀の姉への想いや罪悪感を解説!いつまでも拭えない哀の気持ちとは?

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00005HW6G/cinema-notes-22

今や国民的人気アニメの「名探偵コナン」。毎年劇場版も公開され興行収入何億円という異例の大ヒットを飛ばしています。

その中でもコナンファンの間で一際人気の高いのが2001年4月21日に公開された「天国へのカウントダウン」です。

特に灰原哀という人物の、亡くなったお姉さんへの想いなどに注目して解説していくのでお楽しみください。

哀の心を壊した黒の組織が映画初登場

名探偵コナン E ジン ウォッカ アクリルアートスタンド
劇場版第5作目となる「天国へのカウントダウン」ですが、この映画で黒の組織は初登場となります。

「名探偵コナン」の物語を語るにおいて絶対といっていいほど外せないのが“ジン”率いる黒の組織です。

哀の心に闇を生んだ元凶こそが黒の組織であり、宮野志保から灰原哀という人格を生み出しました。

黒の組織初登場のコナン映画

江戸川コナンの姿になってしまった工藤新一や、灰原哀として生きていく事になった宮野志保。

そして二人の最大の宿敵であり「名探偵コナン」という物語の鍵を握るのが、ジン率いる黒の組織です。

「天国へのカウントダウン」ではジンとウォッカしか登場しませんが、その容赦ない残酷さが際立っています。

この映画でもビルを爆破したり、かつて組織の仲間であった哀を殺す計画を立てたりとヒール感が満載です!

恐るべきその残虐性とは!?

名探偵コナン ピンナップポスター 工藤新一 ジン
蘭との遊園地デート中に黒の組織の怪しい取引現場を目撃した事で、薬を飲まされ子供の姿になってしまった工藤新一。

また、現在は灰原哀として生きる宮野志保は、組織を抜けようとした事から命を絶つ目的で自ら薬を飲みました。

コナンと同じように子供の姿になり今の生活を強いられる状況になってしまいます。

そして哀の大切な父や母、また姉である宮野明美も黒の組織の一員であった事から組織絡みの事件で命を落としているのです。

コナンや哀が飲んだ薬は、元々は科学者で元組織メンバーの哀が開発したものですが、そもそもの組織の目的は“人を殺す薬”を作る事でした。

体が縮んでしまった事は組織にとっては想定外の出来事といえます。

民間人の新一に薬を飲ませた事、また哀を始め組織を裏切ろうとする者には容赦ない制裁を加えるのです。

黒の組織がいかに哀の心を蝕んだか、そして哀の苦しみと葛藤が黒の組織登場によってより明確に描かれています。

コナンと哀の関係

名探偵コナン 灰原 哀シークレットアーカイブス: 少年サンデーグラフィック

黒の組織を通じて共通の秘密を抱える事になったコナンと哀。

この二人の関係は友情とも愛情とも違う、しかしお互いの事をとても深く大切に思う絆で結ばれているのです。

哀は次第にコナンに魅かれているようにも見えますが、それが愛情なのかという事は物語の中ではまだはっきりとはしていません。

二人は同じ運命を抱えるもの、つまり運命共同体のような深い絆でつながっているのです。

哀の姉への想い

「 名探偵コナン 」 モノクローム ハイバラ プチ 角小皿 直径5.5cm 024525

黒の組織に命を奪われた愛の姉・明美。ここでは哀が抱える心の傷や、姉への気持ちを解説していきます。

ひたすら電話をかけ続ける意味

“お姉ちゃんの声を聞きたい”から今は亡き姉への部屋の留守電へ電話をかけ続けます。

そこから見えるものは哀の誰にも拭う事のできない心の闇です。わずか30秒足らずの声でも聞きたい!

それは“姉の死を受け入れられない・姉はまだどこかで生きているのではないか”という哀の気持ちの表れなのです。

コナンと阿笠博士に電話を咎められ、自分の苦悩や葛藤が理解されない事に苛立ちを覚え、普段はクールな哀が感情を露わにするこのシーン。

姉への心境の複雑さを示しており「わからない!」は「わかってほしい!」という気持ちの裏返しでもあります。

唯一の居場所だった姉の存在

黒の組織の中でずっと生きる事を強制されていた哀にとって、姉の存在は唯一の安心できる場所でした。

そして“普通の世界”や“人とのつながり”を感じられる場所だったのです。

宮野志保という一人の人間のアイデンティティを尊重してもらえる唯一の家族でした。

ありのままでいられるかけがえのない姉の存在を奪われ、哀は自暴自棄にもなっています。

10年後の自分の顔がわかる写真を撮った時。

コナンに発した台詞は姉を失い、いつどうなってもいいという、哀の生きる事への無気力さが込められた台詞といえるでしょう。

哀の葛藤

不安な嵐の夜
姉が亡くなり、生きる事に失望している哀は無意識のうちに人と距離をとっているのです。

ツインタワービルで少年探偵団の面々がチョコを貰てはしゃいでいるシーンの後、哀は人知れずスタスタとどこかに行ってしまいます。

自分は小学生として今生きているけれど、自分だけが幸せになっていいのかと哀はいつも自問自答し、その気持ちの中で葛藤しているのです。

姉の死を忘れるなんてできない!あの子達と共に笑う事なんてできない!

そしてもうだれも信用できない・信頼してはいけないという哀の悲しく深い闇を表現しています。

少年探偵団との間で芽生えた絆

300ピース 名探偵コナン 少年探偵団 (26x38cm)

「天国へのカウントダウン」といえば、車で隣のビルに飛び移るというこのラストシーンは驚愕で忘れられないシーンだといえます。

少年探偵団との間で芽生えた絆

30秒数える中で一人ビルに残ろうとする哀。

しかし探偵団の仲間である元太や光彦の言葉が彼女に再び生きる活力を与える事になりました。

一見子供が友達を助ける為にした当たり前のような行動ですが、この二人の行動は固く閉ざされていた哀の心の氷を溶かしたのです。

哀がコナンに発した台詞が表すもの

歩美がコナンに抱く恋心を伝える暗に示すシーンでは心臓の音で時間を計測するという荒業を成功させます。

車が無事隣のビルに移り、事件解決といった部分、心なしか哀の表情も晴れています。

そして哀はコナンに言います。

吉田さんを泣かせたら私、許さないわよ

引用:名探偵コナン 天国へのカウントダウン/配給会社:東宝

この台詞がこの映画の内容を全て物語っているのです。

今まで姉しかいなかった自分に少年探偵団やコナンという新しい仲間ができた。

自分も幸せになっていいのだという確かな気持ちを哀はこの一連の出来事から得ます。

そして、長い間自分を苦しめていた姉の呪縛から解放されました。

この映画の裏主人公は哀!

ねんどろいど 名探偵コナン 灰原哀 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
「名探偵コナン」の主人公といえば勿論コナンですが、「天国へのカウントダウン」というこの映画で、キーパーソンとなっているのは哀です。

コナンが表の主人公であるなら、哀は裏の主人公といえるでしょう。

一見、コナンの活躍や歩美ちゃんの可愛らしさが目立つ感じの作品です。

しかしコナンや歩美ちゃんが“動”の登場人物なら、哀は“静”の魅力を持った重要な役割を持った登場人物といえます。

哀が心を取り戻すまでの物語

色紙 名探偵コナン トレーディングミニ色紙 色紙ART2 灰原哀

「天国へのカウントダウン」は哀が人間らしい心を取り戻していく作品であり、自分の居場所を見つけていく物語でもあります。

灰原哀が探偵団を受け入れた

少年探偵団やコナンというかけがえのない仲間を見つける事ができた哀。

今まで姉の存在しか見えていなかった哀にとってその存在は一筋のかけがえのない希望の光になりました。

いつもお母さんのように少年探偵団の事を見守る哀という静かだけど温かい存在。

そんな哀の心の成長物語であり、哀が新しい自分のアイデンティティを見つけるまでの過程を描いた作品なのです。

劇場版だからこそ描けた心理描写

国民的アニメとなったコナンですが、劇場版だからこそ垣間見える細かな心理描写が魅力です。

灰原哀という人物に焦点を当て、心の葛藤や悲しみをしっかりと表現できたのも劇場版の強みであったといえます。