「少女の頃に戻ったみたい」というタイトルから想像するに、毛利蘭をイメージしたのではないでしょうか。
7歳の時に体験した事件が基になっていますから、彼女が当時を思い出してその頃に戻った感覚になったのは明確です。
14番目のターゲットになった瞬間、幼い日の記憶と現実が交差した蘭。彼女の心の中を表現しているといえるでしょう。
小五郎が警察を辞めた理由
さかのぼること10年前、逮捕された村上は逃走のため警察署内で英理を人質にとりました。
まだ刑事だった小五郎は発砲し、辞職することになります。
人質に発砲
警察庁トップクラスの射撃の腕前を持っていた小五郎は人質の英理を撃ちました。
英理は太ももに傷を負うだけで済みましたが、それでも人質に発砲したことが警察内部で問題になったのは当然のことです。
白鳥刑事も蘭も、小五郎が自身の射撃の腕前を過信して発砲したのだと誤解していました。
事実と真実は違う
村上を撃とうとしたが弾が英理に当たったのかと思いきや、そうではありません。
傷を負って歩けない人質は犯人の足手まとい。そう考えた小五郎はあえて英理の太ももを撃ったのでした。
しかしここで1つ疑問が。素晴らしい射撃技術を持っていたなら、なぜ直接村上を狙わなかったのでしょうか。
村上を撃てば英理は傷を負う必要がなかったはずです。
犯人を狙うのはリスク大
あの場で犯人を狙うなら射殺しか選択肢がありません。なぜなら犯人に怪我を負わせる程度では逆上されるからです。
犯人が逆上したら人質は殺されるでしょう。
それに犯人の体は人質の体でほとんど隠れているので、人質を盾にとった犯人を射撃するには頭しか狙い所がないのです。
また犯人を射殺するには許可が必要という点が問題となります。
発砲すること自体極力避けたいはずですから、ましてや犯人を殺すなんてことは日本ではほぼあり得ないことでしょう。
つまり小五郎には英理の足を撃つ以外の選択肢が与えられていなかったのでした。
村上を再逮捕して一件落着したかに見えたのですが、新たな事件の火種になってしまいました。
小五郎の退職の経緯を偶然聞いた沢木は、本来なら関係無い小五郎や彼の知人をも標的にすることを思いついたのです。
意外すぎる別居理由
小五郎が英理を撃ったという事実にショックを隠せない蘭。その事件が原因で彼らが別居したと思い込んでいました。
事件後自分が誤解していたのだと悟った蘭は母も自分と同じように父を誤解していると思い、真実を母に伝えました。
しかし意外にも母はあえて発砲したことを知っていたのです。2人が別居したのには別の理由がありました。
人質になって太ももを撃たれた日、痛みに耐え小五郎に料理を作った英理。
感謝の気持ちを込めて作ったのに、料理なんかしてないで寝てろと小五郎に怒られたのです。
英理は料理が恐ろしく下手。ですから料理がマズくて怒られたと彼女は解釈しました。
しかし本当は妻の怪我を気遣った小五郎の優しさから出た言葉だったのでしょう。
素直になれないのは小五郎も英理も一緒。似たもの夫婦です。
沢木が起こした事件によって最後には予想外にも別居の本当の理由が明らかになりました。
蘭は14番目の標的になって非常に怖い思いをしましたが、勘違いが解けた点は良かったのかもしれません。
今回は小五郎の過去が明らかになるとともに、Aの予感が的中するという胸キュン場面も盛り込まれた作品となりました。