古代中国で、ミン将軍とユアンが見つけた不老不死を叶える魔術が書かれた骨の木簡こそ真の意味での皇帝の秘宝です。
皇帝の本当の目的は不老不死であり、それを叶える為にユアンを呼んだのです。
皇帝の立場からみた秘宝は、骨の木簡とユアンといえるのではないでしょうか。
しかし自身の嫉妬心と傲りからユアンに憎まれ、呪われてしまいます。
ちなみに劇中でミン将軍とユアンが訪れたトゥルファン僧院は、シルクロードの要地として有名なトゥルファンにある僧院です。
兵馬俑
さらに深読みしていくと、皇帝の秘宝は兵馬俑だったのではないかと考察できます。
生前の始皇帝の生活そのものを来世に持って行こうとしたと考えられている
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/兵馬俑
劇中でも復活を遂げた皇帝は、自分の兵馬俑を復活させようと飛び立ちます。
彼にとって軍隊は力そのものであり、兵馬俑の復活こそかつての自分を取り戻す手段だったのかも知れません。
劇中に反映された「真実の始皇帝」
ハムナプトラシリーズは、史実とファンタジーが絶妙に交差しているというおもしろみがあります。
前作まではイムホテップやセティ1世、ネフェルティティなど実在の人物を登場させてきました。
皇帝のモデルは秦の始皇帝
本作に出てくる中国の皇帝のモデルは、間違いなく秦の始皇帝です。
万里の長城をつくり、兵馬俑を従えた皇帝……。
史実に登場する始皇帝と劇中に登場する皇帝には幾つか共通点がありました。
不老不死を望んだ
史実上の始皇帝も不老不死を望んでいました。
また方士の蘆生などに多額の資金を掛け不老不死の薬を作らせています。
しかし薬は完成せず、逃げ出した蘆生にはらをたてた始皇帝は、460人の儒者を生き埋めにしたのです。
また下記のような話も残っています。
盧生は、身を隠していれば真人が訪れ、不老不死の薬を譲り受ければ真人になれると話した。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/始皇帝
始皇帝はこの話を信じて、なるべく人目に付かないよう身を隠して生活していたということです。
五行思想
劇中では火・水・木・金・土の5つの要素を操ることが出来る皇帝ですが、史実でも五行思想を大切にしています。
以前の周王朝が火(赤)の力を持っていたので、自身の秦王朝は水(黒)を取り入れたということです。
劇中の彼が黒い甲冑を身に着けていたのも、五行思想によるものだったのです。
万里の長城に生き埋めにされた
史実で万里の長城に埋められたのは、建設に携わった人間です。
過酷過ぎる労働で命をおとし、そのまま人柱として埋められていったといわれています。
劇中では復活した反皇帝軍として描かれていましたが、実際は建設をしていた一般人なので戦いには向いていないでしょう。
しかし過酷な労働を強いられたという恨みは大きいかも知れません。