ニコライ2世一家はエッグを開けるまでドキドキしながら待っていたのではないでしょうか。
ラスプーチンは実在の人物?
彼はもともと貧しい農村で生まれ育ちました。そのためろくに読み書きもできなかったようです。
素行が悪く、問題児でもありました。そんなラスプーチンがなぜ皇帝と接点を持てたのでしょうか。
その理由はニコライ2世の息子が難病だったことと関係しています。
大人になったラスプーチンは宗教家になって祈祷で病の人を治療していました。
その噂がニコライ2世夫婦の耳に入り、息子の難病を治してもらうことになったのです。
医者でも治せない病気を祈祷で好転させたラスプーチンへの信頼は一気に高まりました。
このことによりラスプーチンは寵愛を受け、政治にも口を出すようになったのです。
ニコライ2世はラスプーチンを重用したことで政治の混乱を招き、国民の反感を買ったのだとされています。
結局ラスプーチンは暗殺され、その際右目を叩き潰されて陥没した遺体が発見されました。
ドイツの城を模した家
ですから喜市が横須賀に建てた家がドイツ風だったことに疑問を持った人もいたのではないでしょうか。
映画の中ではドイツの城をモデルにした理由がマリアの母にあると説明されています。
詳しくは語られていなかったので、ここでマリアの母について少し付け加えようと思います。
マリアの母はニコライ2世の妻なのでロシア人だと思っているかもしれませんが、それは間違いです。
ヨーロッパの皇族は近隣諸国から結婚相手を決めます。その理由は政治的なものです。
周りの国と友好関係を築くのが目的で政略結婚していました。そのためマリアの母もドイツ人でしたが、ロシアへ嫁いだのです。
マリアの父はロシア人で母はドイツ人。
そのことを知っていた喜一はマリアのために彼女の母の祖国であるドイツの城を基に家を建てました。
ロマノフ王朝の秘宝「インペリアル・イースター・エッグ」を巡る殺人事件はコナンと怪盗キッドの活躍により解決されました。
1900年(19世紀末)に「世紀末の魔術師」と呼ばれた香坂喜市のエッグの謎を1999年(20世紀末)に解く。
2つの世紀末を絡み合わせた演出に気付いたでしょうか。
遠い昔に友好関係を築いていたニコライ2世とラスプーチン。長い年月を経て子孫達が敵同士になるのは悲しい気がします。
彼女達が違う形で出会っていたらロマンチックな物語になったのではないでしょうか。