少年探偵団や蘭達の前で山尾のひき逃げ事件を話題に出す氷川。
いち早くダム建設に賛成した氷川に憤りを隠せない武藤など、醜い本音を吐き出し始めました。
もし元太と光彦が仲直りせずにお互いを憎しみ合ったままだったら、この5人のようになっていたかもしれません。
そしてお互いを許せなかった5人が引き起こす事件の結末が名言をより深いものにしたのです。
冬馬と友達
冬馬の意識が戻ったという知らせを聞きつけて、彼の友達が駆けつけてくれました。
この友達の存在に注目して映画を観た人は少ないかもしれません。しかし意味もなく登場させたわけではないはずです。
彼らを登場させた意図とは一体何だったのでしょうか。
幼なじみ
立原冬馬を含む友達グループ5人は男3人女2人で構成されています。
一方、立原冬美をはじめとする幼なじみも男3人と女2人の合計5人です。
つまり冬馬の友達は、仲の良かった頃の幼なじみ5人組を表しているのです。
8年前の過ちさえなければ、きっとこの子供たちのように心から想い合う絆で繋がっていたのでしょう。
少年探偵団との対比
灰原が発言していたように、体の成長に心が追いつかない立原冬馬と、コナン・灰原の立場は正反対。
まるでコナンと灰原のもどかしさを冬馬で表現しているかのようです。
そして殺されかけて長い眠りについていた冬馬は、新一に戻れないでいるコナンと重なります。
また少年探偵団と冬馬の友達グループも男女の人数が同じです。
千草香織が冬馬に恋心を抱いているところも、歩美がコナンに好意を持っている設定と合致します。
一時は元太と光彦が言葉の刃で傷つけ合った少年探偵団。
冬馬達の友達グループにも同じような擦れ違いが起こる可能性は充分あります。
相手を思いやる心を忘れず、大人になっても良い関係を続けていって欲しいものです。
本当の「沈黙の15分」の意味
緊張が張りつめるラストシーンを固唾を飲んで見守った人も多いのではないでしょうか。
コナンが発見されたことで「よかった」と安堵の声を出した時、あることに気付かされるはずです。
「沈黙の15分間」とは、私達が息を殺してコナン救出劇を観ていたその時間を指していたことを。
コナンが死ぬはずがないと分かっていてもハラハラさせられるストーリー展開が見事な作品でした。
いつもはコナンに助けられる側の蘭が、今回は助ける側に。血が滲んだ手で必死に雪をかき分ける蘭の姿に感動させられます。
ちなみに北丿沢村のダムは富山の黒部ダムがモデルになっているそうです。