サム達は図書館にのがれ寒波の災害を乗り切りましたが、避難所として指定された図書館に逃げたメリットは何だったのでしょう。

燃やす本があった

映画で舞台となったのはニューヨークの公共図書館です。

貴重な本が数多く貯蔵され、人類の財産ともいえる知識が詰まった場所といえるでしょう。

しかし本作ではその本を燃やすことで命をつないでおり、本の価値をどう捉えるかも本作の視点のひとつです。

「本を燃やす?それだけは許せない」

「それなら凍死する?」

引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス

本を暖炉に入れるシーンで司書とサム達の意見が分かれますが、司書は結局命を選択しました。

貴重価値のある本でも、人間の命の前には燃やす材料になっていきます。

電気も止まってしまう世界、燃やす薪もない世界でサム達が助かったのは本という燃料があったおかげです。

知識を与えてくれた

本は燃やす以外にも役に立つものよ

引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス

ローラの命を救ったのは本の中にあった知識です。

図書館は人類の知識がつまった場所であり、その知識が敗血症からローラを救い出しました。

ネット社会ですべてネットで調べられる今、最後に力になってくれたのが本であることにも大きなメッセージを感じます。

司書を通してのメッセージ

書籍が生まれて、われわれは理性の時代を迎えたのだ

引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス

図書館をあえて舞台に選んだ監督の意図が詰まったセリフではないでしょうか。

理性の時代を迎えたはずの人類が、利便性の為に地球の温暖化を止められなかったことへの皮肉とも取れます。

図書館で観る判断の難しさ

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避難先となった図書館は、多くの事柄を観る者に考えさせます。

中でも避難してきた人達の意見が割れて、南を目指す行動をとった人達が凍死したシーンは印象に残ります。

もしも自分があの群衆の中にいたら、どちらの行動をとるか……。

高校生であるサムの意見を信じることが出来るのか、難しい所です。

公的な立場のある警官の判断に従う人の方が、圧倒的に多いのも納得できます。

このシーンでは偏見を捨てて、自分で正しい判断をする重要性が描かれています。

情報が閉ざされた状態で、人は群衆に流され正しい判断が出来なくなるものです。

実際に映画のような状況に追い込まれたら多くの人がそうしているから、という理由だけで判断するのは危険なのかもしれません。

図書館でのやりとりは正しい情報の重要性を痛感させられます。

父ジャックはなぜ危険を冒したのか

DENNIS QUAID - キャンバスプリント(A5 - アーティストによる署名)

外に出るなと通達した父親のジャックが、自ら危険を冒してニューヨークへいった理由は何だったのでしょう。

息子に起きた危険度を理解していたから

父親ジャックは外に出ていたら危険ということを十分理解していました。

それなのに、自らニューヨークの息子の元へ向かっています。

「明日にしないか」

「サムに明日は無いかも知れない、サムに絶対に助けに行くと約束した」

引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス

上記のジェイソンとジャックの会話にその答えが隠れていました。

襲ってきている寒波は、室内にいれば安全という訳ではありません。

ジャックは、起きている異常気象がどれほど危険なものか知っていたので、息子の元へ駆けつけたのでしょう。

自分が駆け付けたからといって、サムが絶対に助かるという訳ではありません。

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