しかし、父親としての愛情がサムの元へと足を向けさせたのです。
父親の性格が描写されていた
ジャックは元々無茶な行動をとる性格でもあり、そのことが映画冒頭部分に描かれています。
ジャックはサンプル採取の為危険な裂け目を飛び越えるという、危険を冒しているのです。
強引で危険を顧みない性格が、サムを助けにいくというジャックの行動に反映されているのでしょう。
ジャックの行動を批判する声もある
息子を助けに向かったジャックの行動を非難する意見も多く見られます。
一人でも多く救ってくれ
引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス
ジャックはラプソン教授の遺言ともとれるセリフを受け取りました。
しかし、気象学者としての仕事を捨て息子を助けに向かった点が批判の対象となっています。
多くの人命が危機を迎えている状況で、気象学者として予測状況を伝えるなど命の為に貢献することが出来たのではないかという意見です。
息子を思う気持ちは止められませんが、せめて仲間だけでも異常気象への救援という仕事を放棄させるべきではなかったのかもしれません。
異常気象は実際に起きるのか
『デイ・アフター・トゥモロー』を観ると、大きな不安が頭をよぎります。
このような異常気象は本当に起こりうるのか、というものです。
NASAによる否定
本作の公開に伴いNASAに意見を求めたそうです。
しかし2004年当時NASAは実際に起こることがないと否定し、意見を出すことはありませんでした。
その後地球は数々の異常気象に見舞われていますが、現在でもNASAは否定するのが疑問を感じます。
起こる可能性は0ではない
この映画は2004年に公開されていますが、当時似たような現象は実際に世界中で起こっていました。
ラーセンB棚氷も崩壊し、2002年だけで3275平方キロメートルの面積を有する720立方キロメートルもの氷が失われた
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ラーセン棚氷
南極の氷棚が崩れ落ちるさまは映画でも描かれていましたが、実際に起こっている現象です。
そして東京を襲った巨大な雹も、実際に中国を襲っています。
劇中では「海洋循環」が氷河期を引き起こしていました。
近年の研究で氷棚の崩壊によって「海洋循環」が乱れれば、氷河期は起こりえると考えられています。
大げさに描くことでメッセージは生まれる
当時科学者たちからはありえない現象だと非難されていますが、映画としては称讃されています。
それは、あえて大げさに描くことで地球環境の大切さを観る者の心に刻み付けているからです。
専門的な意見を聞いても多くの人は耳を貸さないでしょう。
しかし映画というエンターテインメントでの表現なら、強く心に残るメッセージとなります。
温暖化というものに多くの者の意識を向けさせた本作は、社会的にも大きな意味を持つものだったのです。
本作の最後に宇宙飛行士が下記のようにつぶやいています。
大気はとても澄んでいる
引用:デイ・アフター・トゥモロー/配給会社:20世紀フォックス
多くの人が犠牲になり、地球の文明が凍結した世界……。
このセリフには、行き過ぎた文明とエゴを顧みない人類たちへの痛烈な皮肉を感じます。
異常気象の多い現代だからこそ観たい映画
『デイ・アフター・トゥモロー』は、徹底的に地球の温暖化に向き合っていました。
映画という世界を通して、大きなメッセージを世界に投げかけた名作です。
異常気象の多い今だからこそ、観返すべき映画ではないでしょうか。