コロコロと動く女性の心に翻弄され、振り回された経験がある人もいるのではないでしょうか。
トムと別れて間もないサマーが運命の人と結婚してしまうくだりは、そんなものだなぁと嘆きの声も聞こえてきます。
第三者が冷静である
本作に第三者的な登場をするのがレイチェルです。
兄に的確なアドバイスを送る彼女は、現実社会でも存在する恋の傍観者の役を担っています。
本人たちがいくら悩み落ち込んでも、他人にとっては大したことのない悩みなのです。
この第三者の存在が失恋から救ってくれる存在でもあるのでしょう。
トムの心が空回りする様子
トムはサマーを好きだったゆえに、サマーに合わせようとしていました。
トムは自分の気持ちを押さえながら、真剣な付き合いが出来ないという彼女に笑顔を向けているのです。
しかし、そんな彼の優しさが裏目に出た結果になりました。
男女の間での気持ちのやり取りは、トムのように空周りすることが多いのです。
トムの運命の人ではなかった
トムとサマーは確かに愛し合っていました。
しかし素直な気持ちを出せないサマーと、それを見抜けず彼女に合わせてしまうトムの溝はいつしか大きくなったのです。
サマーには強引に自分を引っ張るような男性が合っていたのでしょう。
サマーの結婚相手は、デリの店で彼女に話しかけたことがきっかけ
引用:500日のサマー/配給会社:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
サマーが求めていた強引な感じが表現されています。
トムとの馴れ初めはサマーからトムに話かけたことがきっかけで、トムは自分からアクションを起こすような人物ではありませんでした。
一方受け身タイプのトムには、素直で一途な女性が合っていたのかもしれません。
自分の気持ちをストレートに伝えてくる女性なら、トムは愛を受け止められるのではないでしょうか。
お互いに素直でなかった500日は、運命を手繰り寄せるほどの力はなかったのでしょう。
サマーの心境で観返す面白さがある
本作の冒頭部分でラブストーリーでないと否定されていますが、サマー側の視点で観ると、切ないラブストリーに観えてきます。
サマーの心境が多く語られていないので、様々な考察が出来るのも魅力のひとつではないでしょうか。
恋のバイブルともいわれる本作は観るごとに深みが増してくる作品です。