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【ブラックシープ(ネタバレ)】羊が怖いヘンリーの苦悩を考察!実験が羊で行われた理由は?環境問題が示された兄の心理に迫る

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B000ZK9T5M/?tag=cinema-notes-22

本作は2006年公開のニュージーランド映画であり、ジョナサン・キング監督の基に作られました。

日本では2020年の「未体験ゾーンの映画たち2020」でヒューマントラストシネマ渋谷にて公開されています。

遺伝子操作の実験をモチーフに凶暴化して殺人を行う牧場の羊たちの恐怖を描いたホラー作品です。

技術面も非常にクオリティが高く、以下を受賞しています。

Golden Raven to the Brussels International Festival of Fantasy Film, in 2007.
Special Jury Prize to the Gérardmer Film Festival, in 2007.
Audience Prize to the Gérardmer Film Festival, in 2007.
Best Dramatic Presentation – Long Form Award at the 2008 Sir Julius Vogel Awards for New Zealand science fiction and fantasy

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Sheep_(2006_New_Zealand_film)

今回の記事では羊を怖がるヘンリーの苦悩を中心にネタバレ含めて考察していきましょう。

また、今回の実験が羊である必然性や環境問題を示された兄の心理なども併せて掘り下げていきます。

ヘンリーとアンガス、対照的な兄弟

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本作は表面上羊たちの殺人や羊人間の怖さが先行しますが、主軸は対照的な兄弟二人です。

朴訥で優しく牧場を継ぐべく父の元で働いていたヘンリーとそれを疎ましく思っていた残虐な兄アンガス。

数奇な運命を辿ることになる二人の兄弟の話に大人達が巻き込まれていくという構造になっています。

原題のブラックシープの意味は“鼻つまみ者”、それは果たしてヘンリーなのか、それともアンガスなのか?

その辺りにも目を向けつつ以下考察していきましょう。

ヘンリーの苦悩

苦悩

本作では冒頭、羊恐怖症へ陥ってしまったヘンリーの苦悩が描かれています。

果たして彼の抱える苦悩の中身が何だったのか、紐解いていきましょう。

二つのトラウマ

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発端は二つのトラウマでした。一つが兄のいたずらによる羊の皮剥ぎ、もう一つが父の事故死。

どちらもヘンリーは命と同じ位大事にしていたものであり、その双方を同じタイミングで失ったのです。

もし別々に起こっていれば、ここまで恐怖症を抱かずに済んでいたのかも知れません。

同時並行でのダブルパンチだったことがヘンリーにとっては最大のトラウマの引き金でした。

兄の精神異常者ぶり

或る精神異常者

二つ目に兄アンガスの精神異常者ぶりへの恐怖ということも考えられます。

羊を殺し皮を剥ぎ取っても尚平然としていられる態度は無神経通り越してサイコパスのそれでしょう。

そんな兄に目をつけられたまま過ごしていると、今度は自分が殺される側になるかもしれません

事実帰ってきた後アンガスはとんでもない研究で牧場を地獄へと一変させてしまいます。

それを何となくであれ直感で感じとっていたからこそ恐怖症になったのではないでしょうか。

安らげる場所でなくなった牧場

そして三つ目に以上の理由から彼の生まれ育った故郷が安らげる場所でなくなったことが挙げられます。

彼の中ではもはや牧場はトラウマを引き起こした呪われた場所となっていたのではないでしょうか。

羊そのものが怖いというより、大好きな羊たちが兄によって殺されてしまうことが怖いと見えます。

彼が羊恐怖症で抱えていた苦悩、それは羊そのものにはなく兄と牧場が忌まわしいものへ変わったことです。

実験が羊である理由

残虐な兄アンガスは何と羊を遺伝子操作して人間を襲う凶暴な生物兵器へと変貌させました。