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【クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望(ネタバレ)】男として生きる吹雪丸の感情を徹底考察!お銀との戦いで髪を切った意味とは?

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B019A6NG50/cinema-notes-22

1995年に公開された『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』は、期待を裏切る時間軸の設定が魅力です。

映画シリーズ3作目にして、軽快な中に強いメッセージを込めファンの心を掴む内容になっていました。

男として生きる吹雪丸の感情を深く掘り下げて考察していきます。

お銀との戦いで髪を切ったシーンに秘められた真意とは一体何だったのでしょう。

男として生きる吹雪丸の感情

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戦国時代でしんのすけ達が出会った吹雪丸は、どんな気持ちで男としての人生を歩んでいたのでしょう。

男として育てられたのは雪乃のせい

吹雪丸は劇中で自分が男として育てられた経緯を話しています。

父上には世継ぎがいなかった

だから私を男として育てた

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

本編の序盤では妹がいるという構成で話が進んでいました。

世継ぎが存在していないから、仕方なく男として生きているのです。

吹雪丸は家の為を思って、自分が犠牲になっているのでしょう。

しかし話が進むと妹雪乃は、実は男であったことが判明します。

雪乃はどうしても男のように振舞うことが出来ない。雪乃を大切に思う吹雪丸は自分が男として生きることで雪乃を守っていたのです。

おそらく吹雪丸は雪乃を恨んだことはないのでしょう、仕方がないことと受け止めているように感じます。

だからこそ本来弟である雪乃を妹とよんでいたのです。

男にならなくてはという想い

劇中で浪人に襲われた際、吹雪丸は下記のセリフを投げかけていました。

己に力がないのに口ばかり達者な奴が私は大嫌いだ

男なら腕でこい 剣でこい

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

男ならこうあるべきだという意見であり、自分の中の男性像なのでしょう。

吹雪丸は女であるがゆえに、より男らしく強くいようと努力していたのではないでしょうか。

吹雪丸は女として生きたかった?

劇中で花を美しいと愛でる姿があったのは、吹雪丸が女であることを象徴しているシーンです。

いつもどこか悲し気な吹雪丸からは、女として生きたかったという思いが見え隠れしていました。

しかし自分がすべてを受け止め、愚痴もいわず前へ進む姿は懐の大きさを感じます。

激動の戦国時代を生き抜く吹雪丸の決意

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吹雪丸が生きた戦国時代では、一国の主にとって世継ぎはとても大切な存在だったのです。

時にはお家の滅亡にも関わります。

雪乃が家を継げない状況であるのなら、吹雪丸が性別を変えてでも国を守っていかなくてはなりません。

死というものが間近にあった時代だからこそ、生きる為に男としての道を選択したのでしょう。

吹雪丸が女であることの伏線

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劇中では数々の伏線が張られていました。

吹雪丸が女であることの伏線

吹雪丸は登場した瞬間からどこか中性的な雰囲気を出しており、女ではないかと観客に思わせています。

しかし、しんのすけの下記のセリフでミスリードされるのです。

お姉さんかとおもったら、たまたまがあった

父ちゃんのより大きかった

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

吹雪丸は女と見せかけて、男だったのかと一瞬混乱します。

その後しんのすけは、両親が珠に変えられ巾着に入れた時に吹雪丸の正体に気がつきました。

一緒にお風呂に入ろう

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

女の人が好きなしんのすけがいったこのセリフは、吹雪丸が女であることが判明する直前の伏線です。

更に、粗末な小屋に寝た時の下記のセリフも伏線となっていました。

男同士でくっついて寝ると気持ちいいぞ

ならば

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

吹雪丸はみさえの側にいきますが、自分が女なのでみさえの側にいったのです。

このシーンではひろしが嫉妬心を出すことで吹雪丸=男というミスリードを生んでいます。

伏線とミスリードを同時にかけている見事な構成といえるでしょう。

雲黒斎への伏線

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雲黒斎の正体への伏線もしっかりと引かれています。

冒頭で1570年の時代に時間軸があることが述べられていました。

ローンのないこの時代で生きるよ

雲黒斎が未来の人だったらそう考える

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

ひろしの言葉を聞いたシロ(リング・スノーストーム)が呟いたシーンです。

この言葉でリング・スノーストームは早々に雲黒斎の正体を見破ったことになります。

髪を切ったのは思いを「断ち切った」から

▲兜のオブジェ▲龍鍬形▲吹返有▲戦国武将▲鉄製▲

お銀との戦いの途中で掴まれた髪を切り落とした吹雪丸ですが、このシーンが物語ることは一体何でしょう。

生き伸びるということ

吹雪丸は戦国時代を生き延びる為に男として生きています。

髪を切り落としたのも、お銀との戦いに勝ち生き延びる為です。

生と死が隣り合わせの戦国時代というものが、上手く表現されています。

女としての自分を断ち切った

私は女ではなぁぁい!

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

髪を切り落とした後に吹雪丸は上記のセリフを叫んでいました。

髪を切ること=女である自分への決別を意味していたのでしょう。

直前にお銀に女だといわれたことが、吹雪丸の心に火をつけたのかもしれません。

未練があるから女だと見破られた、と感じたのでしょう。

髪を切った吹雪丸は、おそらくお銀にも女だとばれない存在になったのではないでしょうか。

このシーンでしんのすけが第七沈々丸を受け取ったことは、のちのストーリーの鍵となってきます。

仕掛けが面白い

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『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』は、ただの戦国時代ものではありません。

巧みな時間軸を使った構成です。

リング・スノーストームの存在

戦国時代ではシロとして活躍していたリング・スノーストームですが、吹雪丸と瓜二つです。

他人とは思えない

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

上記の吹雪丸のセリフが示すように、他人ではありません。

劇中では詳しく語られていませんが、リング・スノーストームは吹雪丸の祖先にあたります。

リングは丸、スノーストームは吹雪ということで、名前にも秘密は隠されていたのです。

ここでひとつの考察が浮かびます。

祖先ということは、吹雪丸は将来女として子供を産むことがあったのでしょう。

男として生きることを強いられた吹雪丸に、希望が見える瞬間でもあります。

時間軸の設定が巧み

ヒエール・ジョコマンが時間を超えて犯罪を犯していることで、時間軸がわかりにくくなりそうです。

しかし本作は一貫した繋がりによって、バラバラな時間軸をコンパクトにまとめていました。

それは吹雪丸とリング・スノーストームの繋がりです。

二人がまるで同一人物のように繋がっていることで、過去と未来が一直線に繋がりました。

また、劇中で語られた下記の伝説も時間軸をつなぐ役割を果たしています。

春日家危急存亡の折には3人と1匹の勇士が現れる

引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝

この伝説を伝えたのはリング・スノーストームであり、まさに伝説の勇士はしんのすけたちだったという巧みな構成です。

吹雪丸の両親が生きていた理由

歴史が戻り全てが夢だったという意味をひろしがタイムパラドックスが起きないという言葉で的確に説明しています。

通常の時間の流れから独立して過去や未来へ移動すること

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/タイムトラベル

リング・スノーストームが過去に戻り伝説を伝えることで、時間の流れから独立した世界にならず、未来にも影響を及ぼさないのです。

原作との違い

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クレヨンしんちゃんの原作では映画と少々設定が違っています。

吹雪丸の性別は原作では男でありニューハーフという存在でした。

更に妹の雪乃は弟ではなく妹のままです。

猫ノ進やお銀、珠死朗というキャラクターも映画のオリジナルとして登場しています。

原作での雲黒斎の部下は又楽斎(またがくさい)や羽鬼楽斎(わきがくさい)といったキャラクターが登場しています。

吹雪丸が真面目なキャラクターになったことで、ストーリーに深いメッセージを持たせたのではないでしょうか。

諦めない前向きな姿

【映画チラシ】クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望 本郷みつる [映画チラシ]

『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』はしんのすけ独特の下ネタを散りばめつつも、生と死を描く作品でした。

前半には戦国時代を生き抜くことを、しっかりと描いています。

そしてどんなことがあってもユーモアを忘れないしんのすけの姿は、人生を前向きに歩む見本となっているように感じます。

長く続くアニメは、大人が観ても十分に楽しめる内容なのです。

大人だからこそ、考察するという楽しみを加えてみてはいかがでしょうか。