しかし、しんのすけの下記のセリフでミスリードされるのです。
お姉さんかとおもったら、たまたまがあった
父ちゃんのより大きかった
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
吹雪丸は女と見せかけて、男だったのかと一瞬混乱します。
その後しんのすけは、両親が珠に変えられ巾着に入れた時に吹雪丸の正体に気がつきました。
一緒にお風呂に入ろう
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
女の人が好きなしんのすけがいったこのセリフは、吹雪丸が女であることが判明する直前の伏線です。
更に、粗末な小屋に寝た時の下記のセリフも伏線となっていました。
男同士でくっついて寝ると気持ちいいぞ
ならば
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
吹雪丸はみさえの側にいきますが、自分が女なのでみさえの側にいったのです。
このシーンではひろしが嫉妬心を出すことで吹雪丸=男というミスリードを生んでいます。
伏線とミスリードを同時にかけている見事な構成といえるでしょう。
雲黒斎への伏線
雲黒斎の正体への伏線もしっかりと引かれています。
冒頭で1570年の時代に時間軸があることが述べられていました。
ローンのないこの時代で生きるよ
雲黒斎が未来の人だったらそう考える
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
ひろしの言葉を聞いたシロ(リング・スノーストーム)が呟いたシーンです。
この言葉でリング・スノーストームは早々に雲黒斎の正体を見破ったことになります。
髪を切ったのは思いを「断ち切った」から
お銀との戦いの途中で掴まれた髪を切り落とした吹雪丸ですが、このシーンが物語ることは一体何でしょう。
生き伸びるということ
吹雪丸は戦国時代を生き延びる為に男として生きています。
髪を切り落としたのも、お銀との戦いに勝ち生き延びる為です。
生と死が隣り合わせの戦国時代というものが、上手く表現されています。
女としての自分を断ち切った
私は女ではなぁぁい!
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
髪を切り落とした後に吹雪丸は上記のセリフを叫んでいました。
髪を切ること=女である自分への決別を意味していたのでしょう。
直前にお銀に女だといわれたことが、吹雪丸の心に火をつけたのかもしれません。
未練があるから女だと見破られた、と感じたのでしょう。
髪を切った吹雪丸は、おそらくお銀にも女だとばれない存在になったのではないでしょうか。
このシーンでしんのすけが第七沈々丸を受け取ったことは、のちのストーリーの鍵となってきます。
仕掛けが面白い
『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』は、ただの戦国時代ものではありません。
巧みな時間軸を使った構成です。
リング・スノーストームの存在
戦国時代ではシロとして活躍していたリング・スノーストームですが、吹雪丸と瓜二つです。
他人とは思えない
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
上記の吹雪丸のセリフが示すように、他人ではありません。