ビクターは結局ビクトリアとの結婚を選択することになります。

しかしエミリーへの愛が偽りではない事は、死という大きな犠牲を払ってまで結婚しようとしたことから明白です。

その愛情は恋愛というよりは、エミリーを救うもっと大きな愛だったのではないでしょうか。

一見すると恐ろしい外見のエミリーですが、映画を観ている私たちもどんどん魅了されていくほど、魅力的あふれる女性です。

そんなエミリーだからこそ、命をささげようと思うほどの愛を与えられることができたのであって、その愛情もまた真実の愛だったといえるでしょう。

それぞれの結婚式から見える真実

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ビクトリアは、両親が決めたバーキスと結婚式を挙げさせられます。

立派な式場に、よどみなく伝えられる誓いの言葉。

しかしこの場に本当に幸せな人は一人もいなく、それぞれに思惑や悲しみを抱えた結婚式は、死者たちが現れることによって簡単に崩れ去ってしまいます。

恐怖のあまりバーキスは花嫁を押しのけテーブルの下に隠れ、両親は我先にと逃げ出すという醜態をさらします。

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

ビクトリアの気持ちになってみれば、愛のない結婚だということが分かるシーンでもあるでしょう。

死者たちの結婚式

それに対して、死者たちは心の底からエミリーの幸せを願い、涙をながして喜び結婚式の準備を始めます。

悲劇の花嫁、コープスブライドが本当の幸せな花嫁となることを皆が待ちわびていたのです。

しかし、死者たちの結婚式はエミリーの決断から中止されます。

エミリーが本当に望んでいるものは別の物であって、これは正しくない結婚だからです。

本当の結婚式

エミリーの決断によりビクターはビクトリアと結ばれ、意地悪な牧師の代わりにエミリーがビクトリアの手を取りビクターに重ねます。

誓いの言葉もなく指輪もありませんが、その場にはビクターとビクトリアを祝福する者しかいなく、死者たちも二人を祝福し、エミリーの選択を支持します。

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

この結婚式だけが本当の結婚式だったといえるのではないでしょうか。

結婚を思いとどまったエミリーの心の動き

カスミ草

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最終的にエミリーはあれほど待ち望んだ結婚を自ら思いとどまるのですが、そこに至るまでの気持ちの変化を見ていきましょう。

駆け落ちするほどまで愛したバーキスに殺され、長い間、真実の愛を闇の中で待ち続けたエミリー。

彼女にとってビクターの誓いの言葉はどれほど待ちわびていた言葉だったことでしょうか。

「我 この手で汝の悲しみを癒さん 汝の杯を満たすため 我こそがブドウ酒となろう このロウソクで 汝の行く手の闇を照らさん」

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

この誓いの言葉は、結婚式の形式的な言葉なのですが、まるでエミリーのために作られた言葉のようです。

あまりの喜びから自分がプロポーズされたのだと勘違いしてしまうエミリーですが、ビクターに真実を告げられても諦めたりしません。

悲嘆にくれながらブーケを手にして「バラは永遠の愛、ユリは愛らしさ、カスミ草は…」といいブーケを投げ捨てます。

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

自分が本当は引き立て役のカスミ草のように、花嫁にはなれないことをどこかで気付いているのですが、頑固なまでにビクターとの結婚を望んでいました。

それは過去の「信じた人に殺されてしまった」という心の傷があまりにも深すぎたからです。

エミリーはそのトラウマのせいで、真実の愛を手に入れ、愛する人と結婚することで、深い傷による苦しみから解放されると考えていました。

だからこそ、結婚ということを簡単には諦めることができないのでしょう。

このエミリーの気持ちにはまだ自己愛しかないといえます。

それほどまでに願った結婚をエミリーが手放した理由は、ビクターを愛していなかったからではありません。

ビクターがくれた“真実の愛”にあるのです。

投げられたブーケ

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「死が二人を分かつまで」という言葉の通り、死者と生者の結婚は成立しません。

そのためにはビクターが命を絶ち、誓いをやり直す必要があると発覚します。

そんなことを頼めないと悩むエミリーを見ていたビクターは、自ら毒薬のワインを飲むと決心。

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

エミリーは、この時すでにビクターからとても大きな真実の愛を受け取っているのです。

そして二人の結婚式の際に、陰からみまもるビクトリアに気づいたエミリー。

この結婚が正しくなく、真実の愛をくれたビクターにだからこそ、自分も真実の愛を返すべきだと気付くことが出来るのです。

「できないわ。結婚の夢を奪われた私が、今度は人の夢を奪おうとしている 愛しているわビクター」

引用元:ティム・バートンのコープスブライド 配給会社:ワーナー・ブラザース

この時やっと、エミリーは愛を乞うひとではなく、愛を与えることのできる人になれます。

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