引用元:https://www.amazon.co.jp/dp/B003EVW5P0/?tag=cinema-notes-22
“The Bucket List”が原題のアメリカの2007年の映画です。
アメリカで大ヒットとなり、日本でも2008年に公開されて人気を博した作品です。
いかにして生きるのか、そして死んでいくのかを考えさせられるドラマです。
死ぬ前のやりたいことが、本当のやりたかったことだとしたら、山頂に缶を持っていった理由にその望みが見て取れます。
全く違う2人が最後に望んだことは、何だったのか、一緒に見ていきましょう。
日本でも映画化された
2019年に犬童一心監督、吉永小百合と天海祐希主演で、同作品が日本でも映画化されました。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの演じた2人のアメリカ男性の人生が、日本人女性に置き換えて描かれています。
お金持ちの女社長は天海祐希さん、専業主婦には吉永小百合さんが演じる対照的な2人の物語です。
女社長の秘書にムロツヨシと娘には満島ひかりの個性派俳優の演技が光ります。
自由奔放な女社長と遠慮がちで自己犠牲的な主婦が、余命宣告をされて、どのように残された人生を過ごすのか。
日本を舞台に日本人により感情移入しやすいシーンが用意されていて、オリジナルと見比べてみるのも面白いでしょう。
最高の人生のはじめ方
映画のタイトルが似ていて、間違いやすいのが「最高の人生のはじめ方」という作品です。
同じくロブ・ライナー監督で、モーガン・フリーマン主演ですので、続きのシリーズかと見てみると、全く違うストーリーです。
どちらも、老年期の男性が主人公ですが、人生を振り返ってもう一度生き直そうとする意味では、似たテーマを扱っています。
けれど、こちらのストリートは、自暴自棄の老人が女子供の役に立つことによって、生きがいを見出していきます。
それに比べて本作は、男性の生き様そのものに焦点が当たっているというところが特徴です。
関係性の中での個性ではなく、個人としてやりたいことを果たせたのかを問うストーリーとなっています。
家族か独り身か
ビジネスで大成功したエドワードと、車の整備の仕事をして3人の子供を育て上げたカーターは、同時期に余命宣告を受けます。
自分の残りの人生が、具体的に限られたものだと知って、やりたいことリストを書きます。
2人は、全く違う人生を歩んで来ているので、やり残したこと、やりたことが全く違っています。
この2人の対比から、自分自身が納得できる人生とはどのようなものなのかを考えさせられます。
家族と共にある人生
とくに昭和の時代の日本人の多くは、安定して幸せな老後を望む人が多く、カーターのような家庭的な夫であり父を好ましく思う傾向にあります。
その代償として、男性としての夢は封印されても仕方がないと自己肯定しますが、価値の多様化が進んできた昨今、とくに若い世代はそのような生き方に疑問を持つ人も増え始めています。