シナはキャピトルで働いていますが、反政府的な気持ちを抱いており、それを隠さず話してくれたため、カットニスの心を掴んだのでしょう。
教育係のヘイミッチ
映画ではキャピトルへ向かう列車のシーンで登場するヘイミッチですが、原作では刈り入れのシーンですでに登場しています。
肝っ玉があるとカットニスを褒めたたえたかと思えばトレーニング中は衝突ばかりして、次のようにカットニスを貶したりもします。
「死んだナメクジくらいの魅力しかない」
引用元:ハンガー・ゲーム/配給会社:角川映画
それでも最後に闘技場から帰ったカットニスが一番に抱きついたのが、なんとヘイミッチなのでした。
カットニスの父親
映画ではほぼ言及されないカットニスの父親の存在もありました。
森の中で食料を見つけるための知識を豊富に持っており、それを幼いカットニスに教え、弓作りの名手でもあったようです。
また、彼の歌声は素晴らしく、彼が歌いだすと鳥さえもその声に聞き惚れたと有名な人物でした。
引用元:ハンガー・ゲーム/配給会社:角川映画
映画の中では、父親が彼女のルーツになっていると思える存在なのです。
映画には登場しない重要キャラクターたち
原作にのみに登場する重要なキャラクターは、第2部、第3部でも登場する要素となるため、ぜひチェックしておきましょう。
区長の娘・マッジ
マッジはカットニスの同級生です。
第12区長の娘であり裕福な家の出身ですが、あまり友だちのいないカットニスの唯一の女友達といえる存在です。
カットニスがキャピトルへ旅立つ前に、純金のマネシカケスのブローチをカットニスに贈った人物でもあります。
アボックスの少女
キャピトルに対して反抗的な態度を取った人物、いわゆる反逆者は「アボックス」と呼ばれ、舌を切られて労働を強いられます。
原作では、以前にカットニスが逃亡中と思わしき少女を目撃したというエピソードがあります。
キャピトルで会ったお世話役のメイドが、そのときの少女だったのです。
隠れて彼女が捕まるのをただ見ていたカットニスは、深い罪悪感を覚えますが、アボックスの少女は舌を切られているため話ができません。
彼女が自分を恨み、ゲーム内での死を望んでいるだろうと思い込むカットニスですが、終了後にふたりは再会し、それが誤解だったことを知ります。
ミュッテーション(ミュット)
登場「人物」ではありませんが、かなり重要な要素の一つであるミュット。
殺人スズメバチのトラッカー・ジャッカーをはじめ、キャピトルは戦闘用に生物兵器を造り出しています。
映画で後半に巨大な犬のような姿で襲ってきたクリーチャーが、原作ではミュットです。
前述しましたが、ミュットはゲーム内で死んだ贄たちの遺体から作られているのです。
贄が死ぬとホバークラフトが遺体を回収しに空から現れ、その遺体を材料とした恐ろしいミュータントへと作り替えているようです。
カットニスはミュットの目を見た際に、それぞれ死んだ贄たちの変わり果てた姿だと気がつき、ショックを受けてしまいました。
映画と異なる重要アイテム
ハンガーゲームの世界観を理解するために、映画ではそこまで注目されなかったり、登場しなかったアイテムについても触れておきましょう。
テッセラ
刈り入れの登録数を増やせば支給されるため、食べ物に困っている貧しい家庭ではゲームに参加する可能性を増やしてでも、支給を望む傾向にあるようです。
ゲイルはこのシステムのことを、貧困に喘ぐ労働者と富裕層との結託を阻むために当局が仕組んでいる負の仕組みだと思っているようです。
マネシカケスのブローチ
闘技場では、懐かしい故郷を思い出せるように出身地区から持参したものを身につけられるになっており、マッジが別れの際にカットニスに贈ります。
原作は、サバイバル重視&社会的メッセージが強め
映画はヴィジュアルを意識した作りのため、ストーリー性よりもテンポのある軽快な話になっています。
しかし原作は主人公のカットニスの視点で進む、少女の成長物語です。
持ち前の狩りや植物の知識を活かし、家族のために戦い、恋をし、大人になっていきます。
舞台が統治されたディストピア間のある近未来のため、政治と社会に対する風刺が根底にあることも間違いないでしょう。
シリーズは3部作であり本作は1作目のため、まだまだ謎が残されていますね。
どちらもすでに完結していますので、映画では語りきれない原作の魅力や、演出の違いなどを比べながら、一気に楽しんでみてはいかがでしょうか。