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2010年公開の映画、ゴーストライター。
監督は、戦場のピアニストなどでも有名なロマン・ポランスキー。緊張感のある画面作りも見どころです。
話を追うだけでも楽しめますが、政治的背景や、散りばめられた伏線を知ると更に面白く観ることができます。
ここでは、次第に明らかになっていく驚愕の事実と、登場人物たちの会話に巧妙に隠された伏線について解説します。
現実問題を下敷きにしたストーリー
この映画を理解する上で、現実問題を下敷きにしたストーリーであることをおさえておく必要があります。
作中でラングはイラクへの軍派遣などで国内外から激しい批判を受けていました。
これは現実におけるイギリスのブレア元首相の政治問題と一致しており、彼がモデルになっていると考えられます。
それを踏まえストーリーを考察していきましょう。
ラングの過去写真の意味とは
主人公が秘密に迫る過程で、ラングの過去写真が重要な役割を果たします。
この写真からは何がわかったのでしょうか。
ラングは嘘をついている?
「妻に会うため政党に入った」と発言していたラングですが、写真の発見により、妻に出会うよりも前に労働党の党員だったことが判明します。
なぜラングの証言は事実と異なっていたのでしょう。
前任者マカラの死が不自然であるという証言までも得られ、不穏な空気が一気に高まります。
ラングには何か隠された秘密があるのではないでしょうか?
エメット教授の存在とマカラの死
カーナビの案内で辿り着いたエメット教授。彼はラングの過去写真にも写っており、両者には数多くの共通点がありました。
これらのことから、2人には何らかの繋がりがあると考えられます。
エメットはラングとの交友もマカラが来たことさえも否定しますが、写真やカーナビの存在から考えると、逆に怪しい事実に。
主人公が何者かの追跡を受けたことも合わせて考えると、フェリーからの転落死とされたマカラはここで殺されたに違いないでしょう。
イギリスとアメリカの癒着?
更にエメットがCIAの構成員で人材担当だったことが判明。
政治に全く興味の無かったラングが政界に入ったのは、エメットの手引きによるものだったといえるのではないでしょうか。
そうであれば2人が事実と異なることを言っていたのも頷けます。