アメリアを美化して考察すると、ヴィクターにビザを入手させる為にあえて元彼とよりを戻したと考察出来ます。
ヴィクターとの時間を大切に胸にしまいつつ、彼女は元の世界へ戻っていったのかもしれません。
いずれ祖国へ帰るであろう彼とは、付き合うことが出来ないとあきらめていたとも考えられます。
元彼を選んだことが納得いかない
ヴィクターといい関係にあったのに、急に元彼に戻っていくアメリアの心境がわからないという声も多く挙がりました。
確かに彼女をヒロインとして観ていると、それまでのヴィクターとの時間は何だったのか、と疑問に感じます。
アメリアは、運命の人ではなかったのでしょうか……。
アメリアはターミナルの象徴
本作に登場するアメリアは、ターミナルに閉じ込められたヴィクタ―にとって運命の人でした。
しかし二人が結ばれることはなく、そこには大きなメッセージ性を感じます。
ヴィクタ―にとって生活の総てだったターミナルですが、アメリアにとっては通過点に過ぎない場所です。
アメリアはターミナルを出れば、現実の世界が広がっています。
おそらく彼女にとってヴィクターもひとつの通過点だったのではないでしょうか。
そしてヴィクターもターミナルを出たことで、アメリアとの時間を通過点にすることが出来たのかもしれません。
二人にとってこのターミナルは終点ではなく、乗り継ぎ用の通過点だったのでしょう。
実話が元になっている
本作『ターミナル』は実話がもとになっている映画です。
ヴィクタ―のモデルといわれているのはメフラーン・キャリーミー・ナーセリーです。
1988年8月8日以来フランスのシャルル・ド・ゴール空港の出発ロビーで生活をしていたことで知られる
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/メフラーン・キャリーミー・ナーセリー
彼の日記は書籍化されており、本作『ターミナル』以外でも『パリ空港の人々』など映画化されています。
本作はさまざまな脚色が加わっておりますが、ヴィクタ―のような生活をした人が実際に存在するというのは驚くべきことです。
名優トム・ハンクスの魅力が詰まった作品
『ターミナル』はトム・ハンクスだからこそ成功した作品ともいえるでしょう。
ヴィクタ―の思いやりの深さや真面目さは、大人が本来持っている素直な心を刺激してくれます。
もしも自分がヴィクタ―の立場だったらどう行動するのか、自分とヴィクタ―を比較して観てもいいのではないでしょうか。
普段ならただすれ違う人達、立ち止まることで様々なドラマが生まれてくるようです。