そのコメントの数々はスカイプ上で発する発言よりも明らかに人格を感じる言葉です。
それは、ブレアへ伝えるべきメッセージがあるからだと推測できます。
一番の絶望へのシナリオ
当初はローラからのメッセージをブレアだけが受け取ることで、復讐の協力をしているような描写をみせていました。
しかし、最後に撮影者がブレアだと分かることで、彼女が原因で友人や恋人は命を落とすことになったのだという側面がみえてきます。
そこにこの物語の一番の絶望と恐怖が描かれているのではないでしょうか。
ブレアに伝えたかったこと
では、ローラがここまでブレアに恐怖と絶望を味わわせて復讐するに至った思いとはどんなものだったのでしょう。
裏切りへの怒りと悲しみ
ローラがブレアへこれほどの復讐をしたのは、やはり親友からの「裏切り」に対する怒りです。
物語の終盤に、ブレアは自分たちが姉妹のように仲のいい親友だったことを訴えます。
しかし、そんな親しい相手だからこそ自分を追い詰めたことが許せないと思うのでしょう。
最後のブレアの弁明はむしろ逆効果のような言葉たちです。そして、同時に裏切りへのやるせない悲しみがうかがえます。
曲の引用
ローラの悲しみは言葉では一切表現されていません。
しかし、ミッチの死後に流れたKatie Herzig「I Hurt Too」の歌詞にローラの真の意図が全てが詰まっているのです。
When you’re weary
And haunted
And your life is not what you wanted
When you’re trying so hard to find itWhen the lies speak the loudest
When your friends are starting to leave
When you’re broken by people like meI hurt too, I hurt too
引用:I Hurt Too / 作詞:不明 作曲:不明
まさしく、この日のブレアの状況と一致しているのではないでしょうか。
突如現れたローラや次々に明らかになる友人間の秘密に混乱しながら、画面越しに友人や恋人を失っていったことを暗に示しています。
ただ、これはローラのこととも置き換えられるのです。
彼女は動画をきっかけにいじめに苦しみ、さらには親友だと思っていたブレアや友人達もいなくなってしまいました。
この曲を再生させることで、自分が味わった苦しみや悲しみに気付いて欲しかったという悲痛な叫びが読み取れます。
傷つき、苦しむんだ人へのレクイエム的に流れるこの曲は、行き場のない悲しみを観るものに訴えている様です。
現代ならではのリアルな恐怖
SNS上でのいじめは直接相手を目の前にしない分、よりいじめている側は相手の苦しみが伝わりづらくなっています。
現実ではない、ゲームのような感覚になってしまいがちです。
それがまさしくブレアたちの状況だったといえるでしょう。
匿名で発言することが容易な現代では、SNS上に心無い言葉が溢れており、それを目にする機会も多くあります。
だからこそ、この作品はいつ自分の身に起こってもおかしくない、リアリティを持った恐怖を感じさせてくれるのではないでしょうか。