近年は、良くも悪くも簡単に知りたい情報を知ることが出来、それゆえ情報に流されやすいというデメリットも生まれました。
犯人は情報という大きな武器を巧みに操作することで、大規模なテロを生み出せたのでしょう。
不可能なファイヤーセールを可能にした
公共機関へ対する3段階攻撃だよ
交通機関、金融と通信網、ガス・水道・電気・原子力
生活の総てが投げ売り(ファイヤーセール)に出される
引用:ダイハード4.0/配給会社: 20世紀フォックス
犯人は通常不可能と思われていることを実施しています。
不可能と思っていたからこそ、コンピュータシステム管理の脆弱性となって狙われたのです。
さらに犯人達はただ情報を操作しただけでなく、インフラというライフラインを操っていました。
人々は最も信頼し依存しているものが狂ったことで、パニックに陥ってしまったのでしょう。
インフラこそ国の基盤であることが、痛烈に伝わってきます。
集団心理を利用した
インフラにダメージを与えた犯人達は、人々の集団心理がどう変化するか知っていたのでしょう。
混乱が恐怖を呼び恐怖が混乱を呼ぶ、もはや誰も制御が不可能となっています。
被害は集団心理によって加速し、恐ろしいスピードで大規模なテロへと成長していったのです。
近年、世界中に起きる災害などに直結するようなリアルさが観る者に恐怖を与えるのではないでしょうか。
実際に起こりうるSCADA
実は映画公開後に産業制御システム(SCADA)の脆弱さが話題になっていました。
ハッカーは年々増えているといわれており、インフラを管理する産業制御システムが攻撃されるのではと心配の声があがりました。
『ダイ・ハード4.0』はそれほどまでに核心をついた構成なのです。
そしてアクション映画である本作ですが、社会に与える影響もなかなか大きいようです。
マクレーン、その後の親子関係
娘ルーシーは父親マクレーンとの絆を取り戻しますが、今後の親子関係はどうなっていくのでしょう。
愛の深さゆえ煙たがられる
本作の冒頭部分で、娘ルーシーがデートを邪魔されるシーンがあります。
俺のことを死んだと?
父娘の縁を切ったの
引用:ダイハード4.0/配給会社: 20世紀フォックス
ルーシーは自分に付きまとう父親を邪魔な存在として認識しています。
確かにマクレーンは少々やり過ぎな気もしますが……、彼女にはマクレーンの内にある愛が見えていない状態です。
お互いの愛を知り絆を深めたとはいえ、今後もルーシーは父親の過剰な愛を煙たく感じるのではないでしょうか。
本音で付き合える関係になる
子供には妻とは違う絆があるものです。
どんなに喧嘩をしても、根底に気づいた絆が揺らぐことはないでしょう。
マクレーンは娘との接し方がわからない、どこにでもいそうな父親なのでこれからもルーシーを持て余す姿が目に浮かびます。