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『あすなろ白書』『ロングバケーション』『ビューティフルデイズ』等々「ラブストーリーの女王」として噂に名高い北川悦吏子の初映画監督作品です。
登場人物は女優・北乃きい演じるヒロと俳優・岡田将生演じるシュウ。
二人の実力派俳優が織りなす不器用ながらも微笑ましく温かく、しかしどこか切ない恋模様が見所です。
ハルフウェイの特筆すべきは殆どすべてのシーンがアドリブによって構成されていることであり、台詞や演技などがリアルな芝居になっていること。
ハルフウェイというタイトルの真意と共に、その平穏な日常が織りなす魅力、二人のその後、ラストシーンの意味をじっくり考察していきましょう。
「等身大」の日常感
どこにでもいそうな高校生
ハルフウェイは一見何とも他愛ない高校三年生の平穏な日常シーンが綴られています。
二人が恋に落ちたのは何か特別なきっかけがあったわけでもなく、ごく自然な成り行きだったのです。
ヒロは可愛い子ですが、決して学園のマドンナ的存在という程突出した存在ではありません。
シュウも自然体で爽やかな好青年ですが、決して学園一のスーパースターではありません。
この「どこの学校にも一人や二人は居る好青年と可愛い女の子の恋愛」という「等身大」の日常感こそがハルフウェイの魅力です。
では、二人がどのような交際をしていたのかを見ていきましょう。
友達感覚の交際
二人の交際シーンは特別ロマンチックではなく、よくあるラブストーリーに期待されがちな「色気」や「雰囲気」は皆無です。
どちらかといえば「恋人」よりは「友達」感覚の交際ではないでしょうか。
デートにしても、ヒロとシュウのそれは一緒に楽しもうという友達同士のじゃれ合いに近いです。
ここでも決してわざとらしくない友達の延長線上としての交際の清らかさが逆にリアリティのあるシーンに仕上がっています。
若さ故の過ちがもたらした亀裂
しかし、ふたりの交際は決して順風満帆に平坦な道のりを歩んだわけではありません。
シュウの嘘により、どのような変化が起こったのかを見ていきましょう。