シュウがついた嘘により入った亀裂により、二人の力学関係が大きく変化します。

 

 

 

シュウの方が主導権を握っていた所から、逆に今度はヒロがシュウの手綱を握って引っ張っていくようになりました。

ヒロはこの作品における「動」を、そして逆にシュウが「静」を担う形になっているのです

そして、この逆転した力学関係がそのまま本作独自の作風を構築することになります。

逆転したヒーローとヒロイン

ヒロインからヒーローへ―女性の自我と表現

「動」のヒロ、「静」のシュウという見立てはそのままヒーローとヒロインに置き換えられるのではないでしょうか。

「動」のヒロこそがハルフウェイにおける「ヒーロー」であり、「静」のシュウこそが「ヒロイン」という図式が成り立ちます。

そうすると、一見傍若無人なヒロの行動、軟弱者に見えかねないシュウの行動の対比の意味も非常に明瞭に見えてきます。

性差の逆転したヒーローとヒロインの構図、これこそがハルフウェイの恋愛の本質なのです。

平林先生の教え

ヒロはシュウのことを何とかしたいと平林先生に教えを請いに行きます。

そこで彼女は何を教わったのか?ハルフウェイもいよいよ佳境へ入ります。

男の「衝動」

平林先生はヒロに、男がどういう生き物かという本質を突いたことを述べます。

後先考えて行動する男なんか男じゃない。

引用:ハルフウェイ/配給会社:シネカノン

何と思春期の男が持つ「衝動」を肯定することで平林先生はシュウを「男」として立てたのです。

これは一見高梨先生の「目先のことに囚われるな」というアドバイスと矛盾しています。

目先のことに囚われて動くのが男だというのですから。

しかし、実は彼のアドバイスの本質は全く別の所にありました。

「青春」から「人生」へ

人生劇場 青春篇 (新潮文庫)

平林先生のアドバイスの本質は「人生」という長い目で見て考えなさいということでした。

目先のことに囚われるのはこの年頃の男女なら誰しもが経験することであり、避けられません。

大事なのはそこからより視野を広げ、より高い見地で考えることが出来るかどうか?です。

高梨先生と正反対どころか、高梨先生のアドバイスをより具体的に言い換えたのが平林先生となります。

これにより、ハルフウェイが「青春」という卑近な視点から「人生」という俯瞰の視点へ広がり、物語に奥行きと幅が生まれました。

ヒロの複雑な心境

ヒロは心のつっかえが取れますが、それでも完全に迷いを断ち切ることは出来ませんでした。

紆余曲折を辿ったヒロとシュウが迎えるハルフウェイのラストシーンの意味を考察していきましょう。

「公」と「私」の狭間で

公と私の系譜学

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