清次は、遊女を人として扱うことができる人間だったのです。それゆえに、遊女の辛さも理解できてしまいます。

女を目当てにやってくる男たち。

女をまるでおもちゃかのように思っている男たち。

女をまるで家畜かのように思っている男たち。

そんな男たちを見ながら、心の中ではこう思っていたのではないでしょうか?

「自分はこの男たちとは違う」

きっとこのように、自分だけは絶対に女をものとして扱わないという決め事があったのです。

この世界の現実を見てきたからこそ、このお店を継ぐ気がなかったのでしょう。

この理由から、清次は結婚の話を捨て日暮との駆け落ちを決めたのです。

幼き頃に日暮と約束したように、桜が咲いた吉原から逃げ出したのでした。

なぜ倉之助ではダメだったのか?

寛大な倉之助

では、なぜ倉之助は日暮に選ばれなかったのでしょうか?

倉之助は日暮が誰の子かもわからない客の子を身ごもった時も、変わらず受け入れてくれた人です。

そんな寛大な人物がなぜ、愛した日暮に逃げられてしまったのでしょう。

それには「清次」の存在が大きく関係しています。

清次の存在

 映画パンフレット 「さくらん」監督 蜷川実花 出演 土屋アンナそれは日暮の中で次第に清次の存在が確実に大きなものになっていったという事です。

最初は何とも思っていなかったかもしれません。

しかし、倉之助に求婚され、あの言葉を思い出したのです。そしてその時に日暮は清次への想いを自覚したのでしょう。

また、清次も同じです。

倉之助との身請けの話が決まった日暮を送り出すことができなかった彼は、「幸せになれ」と願ったはずでした。

日暮もまた結婚が決まった清次に「幸せになって」と願ったのです。

しかしそのお互いが、その思いを貫けませんでした。

幼き頃からお互いを見て、影で無意識に支え合ってきた絆。この強い絆に倉之助は勝てなかったのです。

日暮には、倉之助よりも清次との愛が必要だったのでしょう。

まとめ

さくらん

以上、映画「さくらん」の謎に迫ってみましたがいかがでしたか?

作品を観て納得いっていない部分があったのではないでしょうか。

そんな謎を解き明かすべく、本記事を執筆させていただきました。

花魁としての生き方から人間としての生き方を学ぶことができる作品だったといえます。

恋をするということは自分を見失う事でもあります。

何が真実の愛なのか、愛するべきなのは誰なのか。

時に人を狂わす恋。

そんな恋に動かされている花魁たちを描いた、切なくも素晴らしい作品となりました。

本記事を読んでからもう1度作品を観ていただくと、また違った見方ができてより楽しめるかもしれません。

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