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2007年、花魁の儚い恋と厳しい生き方を描いた映画「さくらん」が公開されました。
この作品は、漫画家・安野モヨコ先生の作品「さくらん」を実写化した物語です。
男性を喜ばせることが花魁の仕事。
そんな彼女たちが人並みに恋をして、結婚して幸せになれる日はやってくるのでしょうか?
さて、この作品ですが見ていると様々な謎が浮かんできます。
今回はしげじの夢からその謎を紐解いていきましょう。
作品を観てあまりピンときていない方は、ぜひ本記事で謎を解決してスッキリしてくださいね。
それでは早速、謎の解明をしていきたいと思います。
しげじが見た夢の意味とは?
しげじの夢とは
土屋アンナさん演じる日暮が、椎名桔平さん演じる倉之助との祝言をあげる前夜のことになります。
山口愛さん演じるしげじ、日暮が可愛がっていた禿が怖いを夢を見てしまうのです。
その夢とは「姉さんが遠くに行って死んでしまう夢」でした。
日暮を慕い、こんな風に美しい女性になりたいという憧れを抱いていたしげじ。
一方で大人になって吉原で働くのがどういうことなのかもしげじは次第に分かっていったはずです。
そこから考察するに、しげじが見たこの夢には、日暮に憧れる一方でこんな生き方は嫌だという気持ちが入り混じっていたのではないでしょうか。
さらに深読みすると、日暮自身の、この暮らしから解放されたいという願いが投影されていたのかもしれません。
だからこそこの夢には日暮と清次の行く末が隠されているのです。
本編では、この作品の結末は描かれていませんが、この夢の謎が解ければおおよその結末は見えてきます。
夢が意味していたこと
この夢が意味していたこと、それは「駆け落ち」です。しかし、夢では「姉さんが」としか言われていません。
作中に出てくる桜が咲く野原に2人、人の影があるシーンが鍵となっているのです。
この2人の人影こそ、日暮と清次でしょう。
結ばれることのなかったこの2人が駆け落ちをしようとしているのです。
日暮は倉之助との身請けの話を断りきれませんでした。しかしこのまま倉之助と一緒になってしまうのか…?
そう考えると、このままではいられなかったのです。
この身請けを断れないのならば…。
倉之助と一緒になってしまうのならば…。
どうせなら、いっそのこと好きな人とどこかへ逃げてしまおう、そんな気持ちだったのでしょう。
花魁とはいえ、純粋な恋もするもので好きでもない人と一緒になることはできなかったのです。
人生は皆1度きり。その人生で好きでもない人と一緒になることほど時間の無駄はありません。
日暮は、身請けの話からも倉之助からも逃げて、好きな人と遠くに沈むことを選んだのです。
これが、しげじの夢で示されたこの物語の結末といえるでしょう。
なぜ日暮は求婚を断ったのか?
断りの言葉
倉之助に求婚された日暮はある言葉でやんわりと断るのです。