「ほどほど」と言葉こそ、真の調和を意味しているように感じます。
失うこともまた調和の一つ
恋をして自分を見失い、やっと忘れることが出来たのにまた恋をしている……。
劇中では、自分の中で安定した心を保つことが調和ではないと表現されていました。
心の安定が続けば、不安定になることを恐れ「調和」を守ることに執着してしまうのでしょう。
時には心を乱しながら、時には心を整えしなやかに生きることこそが真の調和ではないでしょうか。
旅先で見つけた「自分」
リズは旅をすることでどんな自分を見つけたのでしょうか。
自分と向き合い自分を知ることは、生きていく上で大切なことなのです。
素直に受け入れることが出来る自分
この映画におけるリズの姿は、現代アメリカで都市生活を送る女性達の姿を投影したものでもあるのでしょう。
旅の先々で出会う異国の人々はニューヨーカーとしてのリズに対し、時にユニークに時に辛辣な物言いでその価値観を揺るがせます。
別の人生哲学を投げかけてくるのです。
その中でリズは過去の自分を壊し、解放していています。
出会うすべての人を「先生」だと思うこと
引用:食べて、祈って、恋をして/配給会社:コロンビア映画
リズの中にある素直で謙虚な気持ちに気がついたとき、彼女は自分を変えることが出来たのでしょう。
本当の自分ではなかったという気づき
これまで「自分」だと思っていたものが、本当の自分の姿ではなく頑張って作り上げたものだった、とリズは気付いたのです。
あるがままを受け入れ、自然な調和の中で生きることが彼女の見つけた答えであり、本当の自分だったのではないでしょうか。
エリザベス・ギルバートの自伝
本作はライターエリザベス・ギルバートの自伝小説が元になっています。
劇中にその名は登場していませんが、リズが経験していたヨガは「クンダリーニ・ヨガ」であると記されていました。
クンダリーニは神聖な女性に関連する力であると考えられています。
引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Kundalini_yoga
マントラを唱え、瞑想するヨガすとして有名ですが、劇中に登場するリズも瞑想を通して自分の中にいる本当の自分と出会えたのかもしれません。
現代人に生き方を問いかける作品
『食べて、祈って、恋をして』は、等身大の女性の物語です。
劇中には、現代に生きる女性達への強いメッセージが秘められていました。
自分の生き方が窮屈に感じた時や、人生に疑問を感じた時にふと観たくなる映画です。
リズの旅は調和のとれた人生こそ、幸せなのだということを教えてくれました。
劇中で語られていたように、私達が出会う全ての映画も「先生」なのかもしれません。