また、ミヤギの悲しい過去を知ったダニエルはミヤギの真似をし丸太の上で鶴の構えを練習します。
この時ダニエルは大会の勝利が自分自身のためでなく、最高の友人であるミヤギを喜ばせたいという気持ちに変わっていたのではないでしょうか。
ミヤギが教えるのは護身術
ミヤギは2ヶ月後の試合直前になるまでダニエルに攻撃を教えることはありませんでした。
ダニエルに対しミヤギは、コブラ会のように人を攻撃するための空手をしてほしくなかったらからです。
ダニエルはミヤギからの問いかけに対し、「空手は闘わないため」と答えています。
ミヤギはダニエルの精神面から鍛えることに成功したのでした。
教えたのは空手だけ?
ダニエルは母子家庭で、ミヤギは妻子を失くした独身男性。ダニエルとミヤギはさながら父と子のような深い絆の友人関係となります。
ダニエルに対し、空手の技術以外に何を伝えたかったのでしょうか?
ミヤギの発言を通して考察してゆきましょう。
バランスとは即ち人生
試合が近づくにつれ次第に恐怖や不安に支配されてゆくダニエルに対し、ミヤギはこのような言葉をかけます。
「目・耳・頭にとって変わるものはない。バランスは空手だけじゃない。人生全てだ。」
引用:ベストキッド/配給:コロムビア映画
ミヤギは自分の目で見たもの・耳で聴いたもの・頭で考えたことを自分で精査し、答えを導きだすことを教えたかったのではないでしょうか。
恋人との仲直り
喧嘩をしてしまったアリと仲直りすべく、ダニエルはミヤギから貰った車でアリの元へ向かいます。
自分で見たアリの姿だけではなく友人から聴いたアリの気持ちを知り、アリにどうしたら良いか考えるダニエル。
ここでもミヤギの教える精神がダニエルを助けるのでした。
礼儀を重んじる
ミヤギは例え敵であろうとも罵倒せず、挑発も一切しません。
また、大会当日ミヤギの名前を「ミヤジ」と間違えた受付に対しても、訂正した後に一礼までします。
空手の達人でも驕ることのない強い精神力を持つミヤギだからこそ見せることのできる印象的なシーンでした。
ミヤギのメッセージの真意とは
ミヤギは劇中空手の技術だけでなく、様々なシーンでダニエルへ人生の考え方や精神の鍛錬を行います。
ミヤギのメッセージをもう一度振り返ってみましょう。
自分を信じて
コブラ会からボロボロにされてしまった自転車を直し、松の切り方をダニエルに教える際、このように発言しています。
「心から表れたものは常に正しい。」
引用:ベストキッド/配給:コロムビア映画
心が折れたダニエルに対して自分と向き合い、クニヘ帰りたいのか、強くなりたいのかを今一度考えさせたかったのではないでしょうか。
勝ち負けは関係ない
2ヶ月後の試合が決まり、弱気になるダニエルに対しミヤギはこのように伝えます。
「立派に闘えば尊敬される。」
引用:ベストキッド/配給:コロムビア映画
勝ち負けや一時的な感情だけを優先するのではなく修行を一生懸命行うこと、自信を持って闘うことを伝えたかったのだと受け取れるでしょう。