出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B004H2YO90/?tag=cinema-notes-22
2006年公開、名探偵コナン劇場版の第10作品目。
記念すべき10周年作品でこれまでのキャラクターも多く登場し、ファンには特に嬉しい内容になっています。
キャッチコピーは「探偵たちよ、安らかに眠れ」「さよなら、コナン」。
そんな少しドキリとするコピーの意味にも触れながら、解説していきます。
10周年記念作品 その見どころ
10周年記念ということで、まずはどんな特徴があったのかを確認してみます。
原作者が込めた思い
オールスター作品に仕立てられたのは原作者・青山剛昌の要望である
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/名探偵コナン_探偵たちの鎮魂歌
コナン=コナン・ドイルなど、探偵小説に関する人物の名前をキャラクターにつけるほど、探偵ものを愛する原作者。
この要望に込められた思いも考えながら観ると、ストーリーがより深く理解できるでしょう。
黒の組織の影?
調査の途中、依頼人からの電話でコナンが「工藤新一君か」と問われるシーンがありました。
コナンの正体を知っているのは限られた人物だけ。
まさか謎の依頼人は、黒の組織の関係者なのでは?という疑念が持ち上がる場面でした。
これには別の理由があることが明らかになりますが、コナンと同じ緊張感を観客にも味わってもらう狙いもあったと考えられます。
こんなところにもニクいファンサービスがあったといえるでしょう。
伊藤の真意、その人間性
事件の黒幕、伊藤。その依頼内容は西尾殺害事件の真相解明でした。
彼の真意とは何だったのでしょうか。
“探偵”が必要だったわけ
警察の誤った取り調べのせいで、愛する麗子が自殺したと考えた伊藤。
彼には、無能な警察への失望があったのです。
伊藤は真実に辿り着ける名探偵を求めていたのでしょう。
暗号を与えて推理させたことも、探偵としての力量を測ることが目的だったのです。
人質が意味するもの
しかし真相を調べさせるだけなら、探偵を雇うだけでいいはず。
なぜ人質を取る必要があったのでしょう。
そこには伊藤の動機、麗子の自殺に関連していると考えられます。
愛していた麗子を失ったことが伊藤を突き動かしたのなら、伊藤は探偵にも、同じものを背負う覚悟を求めていたのかもしれません。
それが麗子への、彼なりの償いと愛の表明でもあったのでしょう。
ただし麗子の自殺が偽装であることを、伊藤は知らなかったわけですが……。
完璧主義者
西尾殺害を計画したのは、完璧な強盗事件のシナリオに泥を塗られたから。
伊藤は、自分の思い描いたとおりに物事を進めなければ気が済まない人間でした。