藤井は古いネタでもコツコツ拾い、編集長にボツにされてもめげずにいろんな事件を追いかけます。

それまでは忍耐強いけど普通の記者かな、というイメージでしたが、死刑囚であるヤクザの告白から現れた事件により、藤井の人生は大きく変わるのです。

深淵に飲まれてしまった藤井

記者の藤井は、凶悪な「先生」が関わっている事件の闇の深さを覗くうちに、事件の闇に飲み込まれていきます。

この様は哲学者ニーチェが説く

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ

引用:wikiquote

という言葉を思い出させます。

闇を暴くことに夢中になり、スクープなどに興味がなくなった藤井は会社を無断で休み、家にも帰らず事件を追い続けるのです。

真相を暴きたい藤井の変化

最初は会社に来た死刑囚の手紙、という仕事をこなす気持ちで進めていた藤井。

ですが実際に面会し、事件の闇を覗くことで普通の記者だった彼は変貌していきます。

事件への興味を記者の使命感で包み、自分の行為を正当化しながら事件を追い続けるのです。

闇の深さに応じて転げ落ちていくように家庭や会社をおざなりにして、社会人としてドロップアウトしていきます。

この時点で、すでに藤井はこの事件の傍観者ではなく、事件にとりつかれた関係者になるのです。

ラストシーンの意味とは

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事件を追いかけ自白を期待する藤井は、無期懲役で収監された「先生」と面会するシーンで、「先生」から無言で指差しされ、エンディングになります。

観客によって見方も変わるかもしれませんが、あえてここで定義づけしてみましょう。

このラストシーンが意味するところとは何でしょうか。

死刑に追いやる行動は殺人ではないのか

「先生」は、興味本位や正義感で人を死に(死刑に)追いやろうとする記者の藤井も、俺と同じ殺人者だ、と伝えているのです。

もちろん金のために快楽的に人を殺している「先生」と、犯罪を暴こうとしている記者の藤井は違うかもしれません。

ですが人の死を願ってやまない姿は、見方を変えれば凶悪と何ら変わりはないのです。

興味を持っている時点で悪であるか?

先生の指差しは藤井だけに向けられているのではありません。

この映画を見ている、凶悪なものに興味を惹かれてやまず、悪と断じたものの死を願う観客すらも、凶悪だといっているのです。

そのメッセージを伝えるシーンが、藤井の妻のセリフにあります。

興味本位で見たけど、楽しかった。世の中、こんな怖い人達がいるんだ

引用:凶悪/配給会社:日活

というセリフです。

これはそのまま観客へ伝わり、ハッとさせられ、最後のシーンから非常に暗いトーンで映画は締めくくられることからも、あえて後味を悪くしようとしているように感じます。

本作の内容がリアルに響く理由とは

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本作では、観るものに嫌悪感と同時に興味を持たせる、日常の中に潜む「凶悪」な暴力を描いています。

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