出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00W0Y9RTY/?tag=cinema-notes-22

この記事は2013年に公開されたサスペンス邦画『凶悪』についてのネタバレあり考察記事です。

実話をもとにした非常に重いテーマを描いている作品ですが、実話ベースだからというだけでは説明できない響きが本作にはあります。

一度見てしまうと出演者におかしなイメージが付くぐらい、印象に残る演技を見せる出演陣が見ものです。

余韻を残すエンディングや高齢化社会の闇を描いた本作のリアルさなどについて考察していきましょう。

心が弱っているときに見てはいけません

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恐ろしい人間が登場すると同時に、その人間が身内や親しい人に見せる優しい一面も見せることでより一層恐怖感を煽っていくテイストが本作の特徴です。

本作を観るときは、心が元気な状態で臨まないと、画面から出てくる情報のあまりの重さに押しつぶされてしまうかもしれません。

観た人であれば、この一文を理解していただけるでしょう。

同じ社会の中に異常者が潜んでいる恐怖

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「先生」と呼ばれて慕われる男は、一見普通の優しいおじさんに見えますが、金のためなら殺しを喜んでやる異常者で、サイコパスです。

死体を焼却している時に食欲を感じる異常性があり、人を生き埋めにしながら被害者の表情を見て興奮、そこには笑顔がありますが、目は笑っていません。

人を殺し、相手が死ぬことについて無頓着なことが恐ろしいです。

「先生」が凶悪であることはすぐに受け取れます。

この異常者の恐ろしいところは、告発がなければ今でも平然と金儲けのために人を殺しながら日常に潜んでいたという事実です。

家族であっても排除してしまう恐怖

一方、借金で首が回らない家族が、厄介者の年老いた家長に保険金をかけた挙げ句、借金をしている「先生」に依頼して殺してしまいます。

家族が家長の死を望んで選択する事実は、実話をベースにした事件ということもあってリアルな恐怖を見せるのです。

この世のどこかで、厄介者扱いされて保険金をかけて殺されてしまうような事件が平然と起きている。そういう恐怖が他人事には思えなくなってきます。

藤井も「凶悪」の一人

主人公たる記者の藤井には、認知症の母とその面倒をみる妻がいますが、あえて顧みないようにして仕事にのめり込んでいると感じます。

かなり前から母と妻の間には問題が発生しているのに、それを知ったうえで背を向け、今回の事件を必要な正義と決めつけて家族を放っておく言い訳にしているのです。

このことから「あなたも理由をつけて現実から目を背けていませんか?」というメッセージになり、観客に突き刺さります。

なぜ藤井は他の記者と違うのか

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編集部の方針は鮮度が高くスクープになるネタを求められています。そういったものばかり追いかけている編集部も「悪」の1つでしょう。

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