出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07B2XWZC1/?tag=cinema-notes-22
2011年公開の映画、ニューイヤーズ・イブ。
監督はゲイリー・マーシャル。プリティ・ウーマンやバレンタインデーなどでも有名です。
男女の恋模様を描いた傑作と名高いそれらですが、今作では更に、主役級キャストが数多く出演する豪華な顔ぶれも見どころとなっています。
タイムズスクエアという、現実の舞台が用いられた理由にも注目したいところです。
ここでは、ストーリーに込められたメッセージを解説していきます。
新年を迎える街での群像劇に注目
物語は8つのストーリーからなる、様々な事情を抱えた男女が織り成す群像劇です。
タイトルのニューイヤーズ・イブとはそのまま大晦日の意味。
映画内では、特に新年を迎える瞬間ということがキーワードにもなっています。その部分もおさえながらみていきましょう。
ボール・ドロップを巡るドラマ
まず、物語の中心となっているイベント、ボール・ドロップに注目します。
このイベントは、実際のニューヨーク、タイムズスクエアで行われているイベントがモデルになっています。
タイムズスクエア・ボールの落下は、少なくとも10億人が視聴し、100万人が参加する、世界的にもよく知られた新年の祝賀イベントの1つである
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/タイムズスクエア・ボール
それもかなり大規模な、世界的イベントです。これが舞台になった意味とは何だったのかも考察します。
クレアが込めた想いとは
イベントの主任は、ヒラリー・スワンク演じるクレア。
しかし彼女は大イベントを前に緊張を隠せない様子で、自力でステージに登れないほど高所恐怖症な一面も。
ここから、クレアはかなりのプレッシャーの中、無理を押してこの仕事をしていることが窺えます。
彼女はなぜ、そうまでしてこの仕事に入れ込んでいたのでしょうか。
スタンの後悔と取り戻したもの
クレアがこの仕事に入れ込んでいた理由はロバート・デ・ニーロの演技も光る、末期がん患者のスタンにあります。
物語のラストで、クレアとは離散していた親子であることが判明しました。
スタン「間に合った」
クレア「昔みたい」引用:ニューイヤーズ・イブ/配給会社:ワーナー エンターテイメント ジャパン
無理をおして屋上に上がった二人。寒いはずのニューヨークの空の下でも気にしません。
彼らにとって、ボール・ドロップは過去の温かな思い出の象徴だったのです。
そしてスタンは最後にこう言いました。
過ちだけの人生で… お前だけは誇りだ
引用:ニューイヤーズ・イブ/配給会社:ワーナー エンターテイメント ジャパン
いくら後悔はしても、過去とは決して取り戻すことができないもの。
直接描かれることはありませんでしたが、この直後に彼が最期を迎えたことが窺われます。
悲しい結末ではありましたが、ただひとつ、親子の絆だけは取り戻せたといえるでしょう。
クレアは、父への愛のため奔走していたのです。
愛を取り戻した人たち
その一方、中にはそんなに楽しそうではない登場人物もいました。
ミシェルとランディに訪れた奇跡
ミシェル・ファイファー演じるイングリッドと、アシュトン・カッチャー演じるランディです。
彼らは希望を失っていたように見えますが、最後にはそれぞれ愛すべき相手と結ばれることが出来ました。