実は、確かな証拠もなくブルックが有罪であることを決めつけているのはキャラハンの方です。
キャラハンや他の人々は、若いブルックが、死んだ夫のことを心から愛していたはずがないと思い込んでいます。
その点、エルはどうでしょう。彼女は実は、とてもフラットな視線で事件を見ています。
それは彼女もまた、ブルックと同じく華やかな容姿で誤解をされる立場であるため。
ここから、ブロンドギャルのエルが弁護士として活躍することと、事件の解明がリンクしていきます。
エルが気付いたふたつの真実
ブルックの無実を証明できたのは、エルがふたつの嘘を見破ったためでした。
ひとつは、プールボーイがブルックと不倫関係にあったというウソの証言。
そしてもうひとつが、真犯人である義理の娘の証言の矛盾です。
どちらの証言も、オシャレに敏感なエルだからこそ気付けたもの。エルの武器は、自信と経験といえます。
ファッションにこだわってきたこれまでの経験と得た知識、そしてそれを信じる勇気を持っていたエル。
真実に気が付いたら堂々とそれを主張する行動力も彼女にはあります。
ほかの誰でもない、エルが弁護をしたことで、ブルックは無罪を勝ち取ることができたのでした。
エルの好きな色、ピンクの効果
オシャレなエルのワードローブはとってもカラフル。中でも、ここ一番の場面で彼女が身にまとっているのがピンクの洋服です。
身の回りのグッズもピンクが中心で、ピンクカラーが彼女のお気に入りであることがうかがえます。
エルが身に着けるピンクは、彼女の外面のと内面の両方を象徴するカラーです。
まずは、外面。ピンクはエルの華やかさ、ゴージャスさにぴったりとマッチします。
ピンクという色に、一般的に人は優しさや可愛らしさ、華やかさといった印象を抱きますよね。
また、しばしば女性性とも深くつながるイメージを持たれています。
エル本人も、”ブロンドで美人”というアイコン的なキャラクター。男性社会の中での鑑賞用的存在として扱われてしまうことも。
こう考えると、ピンクは一見彼女の対外的なイメージにつながる色のように思えますね。
では一方、エルの内面を表す色としてのピンクの効果を考えてみましょう。
ポイントは、ピンクはエル自身が好きな色で、大事な場面でその色を選んでいるのは彼女の意思であるということ。
ピンクは外から彼女に与えられた色ではなく、エル本人が選び取った色。
男性や、そのほか自分以外の社会のためではなく自分自身のためのテーマカラーなのです。
エルが身に着けるピンクは、彼女の強さの象徴とみることができます。
エル・ウッズを通して見る、自分の居場所を見つけるということ
個性を活かし、自分にしかなれない弁護士としての道を切り開いたエル。この映画は単にハッピーなコメディではありません。
上辺ばかりを評価されてきた女の子が、自分なりの強さと賢さで自分の居場所を確立する成長物語なのです。
だから私たちは、エルの姿からたくさんの勇気をもらうことができます。
自分を信じて、周りへの思いやりを持ってみれば。あなたもエルのように、人生を前向きに進んでいけるかも?