また複数人から指を指されると発動するシグナルなどは、知っている人間が殺意を持って扱えるようにしています。
デスゲームとして殺し合いをさせるように誘導しているようなルールが混じっているのが、意地の悪い点です。
樫村はなぜ生き残ることができたのか
本作の主人公である樫村が、最終的にデスゲームを生き残り催眠が解かれます。
なぜ彼女は生き残ることができたのでしょうか。
4人のナイトの存在
サッカー部の仲良し男子である榊・藤春・西園寺・桐野は樫村のことが好きでした。
このデスゲームが始まったときに、この四人は自分の好きな人を守ろうと誓い、そのために命を落としていったのです。
彼らの存在がなければ、樫村は生き残れなかったでしょう。
命をかけた告白の結末
4人は全員で動画を取り、榊のスマホにファイルを預けていました。
全員が死亡し催眠が解けた樫村は、4人の告白している動画を見て感情をあらわに泣き叫びます。
涙を流してはいけないという状況から開放されたことを、4人の動画に涙する樫村で伝えるあたりが見どころです。
初めから樫村の生存は決まっていた?
樫村は守られたこともありますが、持ち前の芯の強さもあり窮地に屈することなく生き延びました。
ほとんどのシグナルにふれない模範的な生徒だったことも、彼女に味方したのかもしれません。
下部はある程度、この結末を見抜いた上でデスゲームを仕掛けたとも考えられます。
生き残った樫村が下部に会えた理由も、そこにあるような気がします。
本作のラストシーンを考察
序盤で自殺したはずの下部は生きていました。なぜ高校卒業後に樫村が下部を制裁したのか考察していきます。
下部を自殺に追い込むその意味は
犯罪心理学を学んだ樫村は、下部がどういう理由で催眠映像を生徒たちに見せたのかを学び、下部の気持ちを理解しようとしました。
ですが下部はただのサイコパスで、生徒が死ぬのを楽しんでみていただけなのです。
下部の快楽のために殺された同級生たちの弔いに、樫村は下部に自殺催眠映像を見せます。
これは「そんなに楽しみたいなら自分の身で楽しみながら死ねばいい」という下部へのメッセージです。
この映像自体に含まれているシグナルは学校のものと同じとは限りませんが、下部は死から逃れられないでしょう。
自分の仕掛けた殺人ゲームを自身で味わうという因果応報を描いて、この映画はラストを迎えます。
自殺催眠を研究するために犯罪心理学を修めたのか
樫村は報復のためだけに勉学に励んだのでしょうか。その答えはNOです。下部が何を感じ、何を意図したのかを知ることも勉学の目的にあったといえます。
その上で自分を救ってくれた4人だけでなく、クラスメート全員の無為に失われた命に報いることが、生き延びた樫村の目的だったのかもしれません。
ラストシーン、校舎を見上げる樫村の眼差しは亡くなったクラスメート全員への鎮魂が込められているのです。
まとめ
原作漫画・映画、共に中々ハードな内容の作品ではありますが、橋本環奈がヒロインを務める事でどこか爽やかさすら感じる作品です。
メッセージについて深く考えず、ジェットコースタームービーとしてゴアシーンを楽しめればより良い時間を過ごせるでしょう。
DVDやブルーレイ、VODなどでぜひ全てのシグナルをご確認ください!