旅のお供として持っていた本がトルストイというところも賢さからのものでしょう。
大学を卒業したクリスは、この先どのように生きていくのかを考える必要がありました。
そこで彼が考える時参考にしたのは「哲学者」です。
クリスは、特に「幸福とは何か」という哲学を題材を突き詰めるために無謀な旅をしています。
クリスの持っていた本の哲学者トルストイも数々の名言を残しており、クリスが影響されたのはいうまでもありません。
クリスが影響されたトルストイの言葉をいくつか紹介したいと思います。
孤独なとき、
人間はまことの自分自身を感じる。死への準備をするということは、
良い人生を送るということである。
良い人生ほど、死への恐怖は少なく、
安らかな死を迎える。
崇高なる行いをやり抜いた人には、
もはや死は無いのである。何の試練も受けていない者は、
試練を受けている人に、
何も教えることはできません。
この言葉を見るとクリスが影響されて行動したとわかると思います。
この二つの要因があったからこそクリスは家出を決心したのでしょう。
バスで最期を迎える意味
クリスは最後バスの中で生涯を終えます。
クリスは何を考え、バスの中で息を引き取ったのか話していきます。
最初から死ぬ気だったのか?
クリスは、死ぬつもりは無かったと思われます。あくまで哲学に影響を受け、自身に試練を与えるためだけです。
ただ、ジャンが帽子を作ると約束した翌朝に出発したり、フランツが養子にしたいと言った時帰ってから話そうと言ったり意味深な行動があります。
しかし、これはもしかしたら自ら課した試練を越えられず、自分は死ぬかもしれないと思っていたから出た行動です。
それに加え、死のうと思っていたら最後まで食べられる植物を探したりしないでしょう。
最後までバスで過ごした意味
結論からいってしまうと、クリスは自分の旅で、自身の力で、幸福とは何かを見つけたかったのです。
旅の途中で所持金を燃やしたり、アラスカに着いてからは地図を捨てたりと、クリスはこだわりを持っていました。
具体的にいいますと「一人で成し遂げたい」といったこだわりです。
クリスの場合は一人でサバイバル生活を送り、その生活を通して「幸福とは何か」を知りたいというものです。
ですが、自分の思ったようにサバイバル生活はうまくいかず、最後はバスの中で死を迎えてしまいます。
そんな過酷な生活をしてまで成し遂げなければならなかったのでしょうか?
次はそのこだわりを捨てられなかった理由を話していきます。
クリスがこだわりを捨てられなかった理由
クリスがこだわりを捨てられなかった理由は2つあります。
家を出た負い目
クリスは賢く、自分でもそれを実感できるくらい大学では評価されていました。
また、考え方が一貫しているクリスは旅中に関わった人たちも変えていきます。
しかし、そんな環境もクリスには良くない方向に作用してしまいました。
クリスは、いくら頭が良くても大学を出てすぐの22歳です。