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劇場版名探偵コナンシリーズの19作目として公開されたのが『名探偵コナン 業火の向日葵』です。
今作はシリーズで初めて絵画がテーマになったことでも話題になりました。
しかし、作中で目立つのは何よりも「怪盗キッド」の活躍ではないでしょうか。
今回は劇中での怪盗キッドの行動にはいくつかの謎が残されたまま、物語は幕を閉じています。
キッドが寺井に協力した真意やレイロックに侵入した方法、そして百億円を要求した理由にフォーカスを当て解明していきましょう。
怪盗キッドの役割
本作において、怪盗キッドは事実上の主人公としての役割を付与されています。
コナンをメインに捉えつつも、あくまでも主軸となるのは怪盗キッドでしょう。
これまでコナンが担ってきたヒーロー像は、今回全てキッドの手に委ねられていました。
彼の行動の謎こそが、本作における謎解きになるはずです。
怪盗としてではない、キッドの立ち位置に注目して数々の謎を紐解いていきましょう。
キッドが寺井に協力した真意
今作はキッドの使用人でもある寺井黄之助がキッドへ「依頼」をしたことから物語が始まっています。
しかし、そもそもキッドが寺井に協力した真意というのは、最後まで明らかにされていません。
一体何故、キッドは寺井に協力することを決めたのでしょうか。
キッドと寺井の関係性
キッドが寺井に協力した理由を考えるにあたって、注目すべきは彼らの関係性ではないでしょうか。
寺井はキッドの使用人として彼を補佐する立場の人物です。
寺井とキッドの生家である黒羽家の関係はキッドの父でもある「初代怪盗キッド」黒羽盗一の頃まで遡ります。
息子であるキッドが「2代目怪盗キッド」となった今でも、寺井は変わらず怪盗キッドを手助けしているのです。
そしてキッド自身、寺井のことはじいちゃんと呼んでおり、2人の間には確固たる信頼関係が築かれていることがうかがえます。
寺井は盗一が健在の頃から代替わりをした現在に至るまで、長年黒羽家に尽くし続けている訳です。
心優しいキッドがそんな寺井のたっての依頼を断る理由はないでしょう。
もしかしたら、寺井はこれまでの人生の中で、初めて黒羽家にお願いごとをしたのかもしれません。
ゴッホの「ひまわり」を守ることで生じる意味
物語の途中、ひまわりの花言葉が「私はあなただけを見つめている」だということに言及する場面があります。
これは70年前に密かに恋焦がれていた東清助に対する、ウメノさんの変わらぬ恋慕の気持ちを暗示しているわけです。
それと同時に、寺井がウメノさんを想う気持ちも意味しているのでしょう。
寺井がウメノさんに叶わぬ恋心を抱いていたことは、作品のラストでキッドとチャーリー刑事の会話の中で明かされています。
キッドは「まじっく快斗」の中でIQ400であると発表されており、寺井とウメノさんのことも事前に察しは付いていたはずです。
今回は怪盗としてではなく、家族として芦屋のひまわりを守ったという事です。