盲目になった彼女との関係が冷めつつある中で、もう一度二人の愛を取り戻したいと思ったのでしょう。
失った共通項を再び取り戻すことができれば、デヴィッドは彼女が運命のパートナーだと意味づけられると思ったのです。
それと同時に、自分が彼女を愛しているのだと自分自身に半ば強引に分からせようとしたのではないかと考えられます。
他者への愛か、自己への愛か。
デヴィッドは彼女との愛を育むために、動物に変わるまでの覚悟を心に決めていたはずでした。
エンドロール直前では、デヴィッドが鏡の前で立ち尽くし、彼女は独りで彼を待ち続けていました。
結局デヴィッドは彼女との愛を裏切ったのでしょう。
彼女と同じ盲目になることで、今まで頼りにしていた目に見えるものを失うことになります。
目に見えないものだけを信じ、動物に姿を変えるのか。
それとも、今までと変わらず目に見えるものだけを信じ、自己愛を優先して人間の姿であり続けるのか。
結局デヴィッドは目に見えない彼女への愛を信じらませんでした。
盲目…つまり、彼女と同じようになることに怖気づいてしまうのです。
最後までデヴィッドは自己愛を優先し、他者への愛を育もうとしませんでした。
これは、劇中に出てきたどの独身者にも当てはまります。
一見してパートナーに自分を寄せているかのように見えます。
しかし、それはあくまで全て自分のため。
誰ひとりとして、誰かを愛せていません。
冒頭に登場した女性も盲目の彼女も同様に、信じていたパートナーに裏切られています。
主演を務めた役者さんたちのコメントも深い!
個性豊かな役者さんを起用している「ロブスター」。
主な出演者は以下のようになっています。
デヴィッド – コリン・ファレル
近視の女 – レイチェル・ワイズ
独身者たちのリーダー – レア・セドゥ
メイド – アリアーヌ・ラベド
滑舌の悪い男(ロバート) – ジョン・C・ライリー
足の悪い男(ジョン) – ベン・ウィショー
鼻血を出す女 – ジェシカ・バーデン
ホテルのマネージャー – オリヴィア・コールマン
薄情な女 – アンゲリキ・パプリア
独身者 – マイケル・スマイリー出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ロブスター_(映画)
主演を務めたコリン・ファレルさんはこの映画について「映画を観て、無関心を貫き通せる人はいないと思う」と述べています。
また、独身者のリーダーを熱演したレア・セドゥさんも「映画を観た後はきっと自分自身に問いかけることになる」と述べているのです。
一見ぶっ飛んだ設定のようにも思える「ロブスター」の世界観。
しかし、デヴィッドたちのようにパートナー探しに必死になっている人は、現実の世界にもたくさんいます。
本当の愛とは何なのか。
「結婚している」「恋人がいる」というステータスを得るためだけに必死になっていないか。
パートナー探しをしている人は、今一度自分自身に問いかけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
現在でも、パートナーを探すのに必死な独身者は絶えません。
しかし、あなたは本当にパートナーを必要としているのでしょうか?
自分を愛することだけに盲目になるのは、いかがなものでしょう。