出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B079W31DYL/?tag=cinema-notes-22
「シンプル・シモン」は監督がアンドレアス・エーマン、主演はビル・スカルスガルドの2014年5月公開のスェーデン映画です。
皆さんは毎日をどんなスケジュールですごしていますか?何か強いこだわりはありますか?
自分のリズムが崩されるとパニックをおこしたりしますか?「アスペルガー症候群」のシモンは極度にこだわりが強い性格。
決まったルーティンが崩されると、頭の中ではまるで宇宙衛星が軌道から外れたくらいのパニックが起きてしまう青年でした。
とある出来事がきっかけで始めた兄の「恋人探し」を通じて織り成すヒューマンラブコメディです。
アスペルガー症候群とは?
「アスペルガー症候群」という言葉をどこかで耳にしたことはあると思いますが、少しだけ説明をしておきます。
アスペルガー症候群(アスペルガーしょうこうぐん、Asperger Syndrome)とは、コミュニケーションや興味について特異性が認められるものの言語発達は良好な、先天的なヒトの発達における障害。特定の分野への強いこだわりを示し、運動機能の軽度な障害が見られることもある。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/アスペルガー症候群
この作品はこのアスペルガー症候群の特徴を加味した、主人公のシモンの目線で語る物語です。
シモンにとっては自分を中心に物事が回っているのではなく、物事の周りを絶妙な距離とバランスをもって周回しながら生活をしています。
時にそれはわがままで自分勝手なことのように見られてしまいがちで、一度バランスが壊れるとパニックに陥ってしまいます。
両親ですらコントロール不能
人は何か悲しかったり悔しかったりすると自分の殻にとじこもることがあります。
シモンには独自のルールとルーティンがあり、触られるのも大嫌いです。コミュニケーションは最低限で“好き”か“嫌い”かだけです。
シモンにとって宇宙船に見立てたドラム缶はルーティンが崩れたり、思い通りにならずパニックになった時に逃げ込む「殻」でした。
大好きな兄「サム」
母親が金切り声でシモンを呼んでも、父親がおこづかいで出てくるよう説得しても断固応じようとはしません。しかし兄のサムは違います。
宇宙船に交信するようにシモンに話しかけてくれる兄のサムが一番わかってくれている人ということです。
シモンはその兄が自分から去り離れて暮らすことが理解できないのでした。
誤解されるけれど「バカじゃない」
とにかくシモンは基本的に物事を考えることや変化が嫌いです。両親のことは敵とみなしているしサムの恋人のことも嫌いです。
自分に「わかりやすく説明ができる人」が好きという基準があるのでしょう。
僕には兄さんが必要
兄さんには彼女が必要
どれがかけてもバランスが崩れる。だから方程式を成立させる
引用:シンプル・シモン/配給:フリッカポイカ
サムの家で暮らすことになったシモンは三人でうまく暮らすための方程式を「時間割」にしてスタートさせました。
シンプル オブ ザ「ベスト?」
人の顔の表情も複雑すぎるから絵文字に変換している映像は、なるほどこの方がわかりやすく楽しい!と感じさせるでしょう。
しかし、人はそう単純ではありません。サムの恋人には無理で、別れを告げ家を出ていってしまいました。
方程式の崩壊
恋人にフラれたことで兄のサムは落ち込み、シモンは彼女がいなくなることで三人で暮らすという方程式のバランスがくずれるのです。
それはすなわち自分が決めた生活のペースが乱れるということです。
サムは一時的なことですぐに戻ってくるとシモンに約束しますが、彼女の決心は固く戻る気配はありません。
シモンが彼女の家まで戻ってくるよう交渉しに行くシーンでわかります。
「あんたに耐えられる“バカ女”を探せばいいわ!」と一喝されてしまいました。
引用:シンプル・シモン/配給:フリッカポイカ
13の条件で「恋人」さがし
シモンは自分がサムと暮すにはサムに「完璧な恋人」が必要であると考えます。