そこには出発するときと同じ風景はなく、何人もの乗組員たちが欠けていました。
この映画の一番のクライマックスはこのシーンでしょう。
地球は存続したけれど、そのために過酷な任務を遂行した彼らが命を失った。
その事実を観客は突き付けられ、隙間だらけの乗組員の並ぶ姿に涙するのです。そこにこれでもかと押し寄せる「I Don’t Want to Miss a Thing」。
これによって観客はカタルシスを得るのです。
この気持ちいいまでのカタルシスが観客を満足させ評判を呼び、興行的大成功をもたらしたのです。
そしてこのアルマゲドンの成功がB級映画も含むディザスター映画ブームを巻き起こすことになったのです。
科学的にこの方法は可能なのか
劇中で行われた衝突する小惑星の深部に穴をあけて核爆弾で軌道を変える方法。
物語の中ではめでたく地球の滅亡は回避されましたが、これは実際に可能なのでしょうか。
実際に研究されていた!
実はこの問題は2012年にイングランドの名門大学、レスター大学の物理学研究チームが実際に研究して論文を発表しています。
Bruce Willis couldn’t save us from asteroid doom – University of Leicester
この論文では、映画の規模の爆発では爆竹程度の威力に過ぎないこと、そして爆発のタイミングも遅すぎるということ。
作戦成功の条件は
この方法で衝突を回避しようと思ったら爆弾は人類史上最大の威力のある50メガトンの水素爆弾「Big Ivan(別名ツァーリ・ボンバ)」の10億倍の破壊力。
そして太陽系外での破壊が必要となるということです。
有人シャトルが太陽系外まで行くこと自体無理ですから、わかってはいましたがやはり「アルマゲドン」でのあの作戦は不可能、ということになりますね。
終わりに
名門大学に実際に研究させてしまうほどの影響力があった「アルマゲドン」。
ここからもこの映画の凄さがお分かりいただけるのではないでしょうか。
映画のバックグラウンドに何があるか、公開時や制作時の時代背景なども考えるとまた違った見方ができ、新しい発見をしながら楽しめるのではないかと思います。