出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B01MR7842I/?tag=cinema-notes-22
ミステリーをメーンにしながらも、人を信じることの難しさを語る映画「怒り」。
優馬と直人の悲しい恋の結末に涙したり、疑心暗鬼の愛子に共感したり。登場人物に感情移入した人も多かったのではないでしょうか。
特に田中こと山神と対峙した辰哉の怒りは、私達の心に暗く重くのしかかりました。
そんな映画「怒り」の真犯人について考察するとともに、目撃者たちがカーテンを閉じた真意や難解な山神の振る舞いについても解説します。
真犯人像は捏造された疑いあり
映画では「真犯人は田中(山神)だった」という終わり方をしています。観た人もそれで納得したことでしょう。
しかし本当にそんなにシンプルな作品だったのかと聞かれると答えにつまります。
最後の最後まで素性の知れない3人の男性を、「もしかしたらこの人が犯人なのでは?」と思わせ続けたこの作品。
もっと深掘りした方がいいのではないでしょうか。
モンタージュの落とし穴
まず第一に、真犯人を考察する上で犯人とされる人物像の情報は正しかったのかも疑問です。
警察から発表された犯人像は、誰の話を基にして作られたのでしょうか。
右頬に特徴的なホクロがあることや似顔絵などは、きっと大阪で捕まった男の供述をもとに作成されたはずです。
警察が大阪の男の話を鵜呑みにしてしまえば、その男の思うがままの犯人像を作れてしまうという危険性があります。
整形とホクロ
もし自分が殺人犯で整形をして逃亡するなら、どこにでも居そうな特徴の無い顔に変えてもらわないでしょうか?
右頬にあるホクロは犯人を絞る上で重要な役割を果たすように思います。
であれば整形時にホクロを除去するのが普通なはずです。
あたかも「自分が犯人です」といわんばかりの特徴的なホクロは、真先に取るでしょう。
そう考えるとむしろホクロがある人物は犯人ではないはずです。
自分でホクロをえぐり取ろうとした山神は本当に真犯人だったのか疑問が残ります。
真犯人を考察
3人の素性の分からない男性の中に真犯人がいるとは限りません。真犯人は本当に山神で間違いないのでしょうか。
他に真犯人がいるという結末も考えてみたいと思います。
大阪の男が真犯人なのでは?
真犯人を山神に仕立て上げることができるのは、大阪の男しかいません。
山神から聞いたという事件の詳細も、本当は大阪の男自身が体験したことだったのではないでしょうか。