黄泉がえりの条件を物理的に満たしていなかったことになります。
もしこの時、遺体の一部が近くに存在していたら俊介は黄泉がえっていたのかもしれません。
葵の想いが平太に向いていたから
俊介の角膜を葵のいる特定エリアに運ぼうとした平太を葵は止めました。
この時、角膜を特定エリアに運んでいても俊介は黄泉がえることはなかったでしょう。
葵が最後に想いを寄せた人物は平太だったので、彼が黄泉がえらないことを葵は感じていたのかもしれません。
葵が死んでいたから
更に、俊介が黄泉がえらなかった原因として考察できるのは葵が死者だったから、という理由もあげられます。
黄泉がえりは生きている人間の強い想いで引き起こされているのです。
もし葵が俊介を想い続け、角膜が特定エリア内にあったとしても彼が黄泉がえることはなかったのかもしれません。
葵が黄泉がえった理由
実は葵が既に命を落としており黄泉がえっていた、というのは衝撃的な内容でした。
葵の遺体は阿蘇の特定エリア内に残されていました。
また平太が葵に会いたいという気持ちを抱いていたから葵は黄泉がえったのです。
しかし、平太が終盤まで葵が黄泉がえった存在であるということに気付かなかったのはなぜでしょうか。
黄泉がえりは死んだ直前の姿で戻ってくるので、見た目はごく自然な葵のままだったのでしょう。
更に、葵は他の人とは異なり自分の死を自覚していなかったのです。
葵は黄泉がえりの時間を平太と共に過ごすことが出来て、幸せだったのではないでしょうか。
俊介への想いを浄化し、平太を愛することが出来た彼女は悔いなく死ぬことが出来た、と解釈すべきなのでしょう。
想いの詰まった黄泉がえり
ここまで映画「黄泉がえり」に残された疑問を考察してきましたが、いかがでしたか。
俊介が黄泉がえらなかった理由は、想いのすれ違いによるものが大きかったようです。
死んだ大切な人にもう一度会いたい、と思っている人は多いはず…。
この映画を観て、生きている時間の素晴らしさを実感出来たのではないでしょうか。
黄泉がえりのような新たな角度で我々の生活を見つめてみると、そこには大切な人への想いが沢山詰まっています。