苦痛から逃げるために描き出されるのが売春館。売春館で自分の仲間を得ることができましたが、あくまで売春館。

現実世界かた逃げるための妄想世界とはいえ、少女たちにとっては居心地が悪く、傷つけられる場所です。

その仲間たちと売春館を逃げ出すために、アイテムを揃えるのが戦場という妄想の妄想世界になります。

初めて妄想世界へ入るのはロボトミー手術直前

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三つの世界で構成されていると考えると、妄想の始まりはロボトミー手術を受ける直前になります。

手術のため頭にピンを打たれる瞬間に、初めてベイビードールは売春館の世界(妄想)の世界へと入りました。

つまりこのシーンが、ベイビードルの妄想世界の始まりです。以後、現実世界、妄想世界と妄想の妄想世界を行ったり来たりします。

手術が終わったシーン以後は現実世界

​ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜

では、ベイビードールの妄想がいつ終わるのかというと、手術が終わったシーン以後がそれにあたります。

その直前までは売春館からの逃亡を図るシーンでした。実は現実世界と妄想、妄想の妄想世界はすべてつながっています。

現実世界で起きていることの、映し鏡がそれぞれの世界なのです。

そう考えると妄想が終わるのはスイートピーが逃げる場面ですが、それまでの妄想世界での出来事は現実世界でも起きていることになります。

視点を変えれば、妄想世界も妄想の妄想世界も映像が違うだけで、現実世界であると捉えることも可能です。

ザック・スナイダー監督がイメージするのは『不思議の国のアリス』

​不思議の国のアリス (とびだししかけえほん)

ザック・スナイダー監督は、本作を銃を持った『不思議の国のアリス』と表現しました。

『不思議の国のアリス』では、不思議な体験をしたアリスが夢から覚めて、姉の心配をよそに別の場所へ歩いていくシーンで終わります。

姉と妹の立場は逆ですが、姉妹や夢オチという設定は本作と『不思議の国のアリス』に関係性がありそうです。

アリスが夢から覚めてどこかへ去るシーンは現実世界です。

ストーリーの関係性から考えると、ラストのスイートピーが脱出してどこかへ去るシーンも現実世界だと考えられます。

妄想世界で起きていることは現実世界でも起きている

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ザック・スナイダー監督は、本作の現実世界で起きていることは妄想世界に反映している、という趣旨の説明をしました。

その説明から、現実世界・妄想世界・妄想の妄想世界はそれぞれ独立した世界でなく、リンクし合った世界だと言えます。

複雑に見える階層がある本作ですが、三つの世界には「映像の舞台」という明確な違いが「今はどこの世界にいる」ということを示すのです。

つまり妄想の始まりは最初の売春館に入った場面、妄想から覚めるのが、手術が終わったシーン以後の世界だと言えます。

また、スイートピーが精神病院から逃げる場面も、場所が病院なので現実世界での出来事だと言えるでしょう。

現実と妄想がつながっている具体的シーンとそれぞれの世界を行き来する条件

ザック・スナイダー監督が説明する、現実と妄想の関係性はどこのシーンで見られるでしょうか。

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