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実写映画【バクマン。】は原作が大きく改変されていて、原作を知らない人でも楽しめるのが特徴です。
原作を知っている方は、シュージンの恋人である見吉香耶が出てこないことに驚いたのではないでしょうか?
しかし、原作から大きく改変された映画の構成はしっかりとまとまっていて、物語として見ごたえのあるものとなっています。
今回は小豆との約束、【アンケート戦争】、サイコーが涙した理由、【友情・努力・勝利】、ラストが卒業式だった真意を考察していきます。
サイコーと小豆の約束
映画【バクマン。】は叔父が漫画家だったサイコーを中心に物語が構成されています。
サイコーが漫画家を目指すきっかけとなった小豆との約束。
この約束は映画【バクマン。】を語るうえで、かなり重要なポイントといえるでしょう。
お互いの将来の夢について話すサイコーと小豆
サイコーと小豆が会話するシーンは少ないですが、会話には必ずお互いの将来の夢の進捗を聞きます。
小豆はサイコーより少し早く夢への一歩を歩き出し、サイコーは負けてられないとばかりに漫画を描く。
小豆と会話するときのサイコーは照れや気恥ずかしさからどこか落ち着きがなく、浮ついたような印象です。
しかし、小豆の方は落ち着きがあり、一緒にいる時間を大切にしているような印象を受けます。
会話の時は相反する反応を見せる2人ですが、お互い夢に向かって頑張っている姿はすごく似たものを感じさせられるところです。
病院での会話
物語の重要なシーンの1つであるサイコーの入院。
シュージンからの連絡を受けて駆け付けた小豆とサイコーが会話をします。
待たないという小豆の言葉にサイコーは漫画を描き上げようと病院を抜け出します。
普通は頑張りすぎてしまい、過労で倒れた病人に焚き付けるようなことはしないでしょう。
しかし、小豆は「待ってるから」ではなく「待っていられない」を選びました。
この「待っていられない」にはいろんな感情が込められているように思います。
「こんなところで止まってしまうの?」や「このペースでいつまで待たせるの?」といった挑発や不満がその代表でしょう。
小豆とサイコーの約束は軽い口約束ではありません。
2人とも本気で達成すると決めた約束です。
そんな約束の重さを感じられるシーンになっていたのではないでしょうか?
ジャンプ名物【アンケート戦争】
サイコーとシュージンの漫画が連載されたジャンプは、徹底したアンケート至上主義で有名です。
アンケートの順位が落ちると、すぐに打ち切りになってしまいます。
そういったアンケートの順位争いを映画ではかなり力を入れて作っているように感じました。
ここではそんなアンケート戦争について深堀していきます。
新妻エイジとのアンケート争いを可視化
映画ではサイコーとシュージンの漫画「この世は金と知恵」と新妻エイジの漫画「CROW」の原稿が動き出し、バトルシーンとして演出されていました。
CGやプロジェクトマッピングを使用した演出はかなり引き付けられたのではないでしょうか?
この演出の意図はアンケート争いの重要さと地味さにあります。
新妻エイジとの決着は映画の重要なポイントです。