作中ではT-800自らの口で語っており、その証拠として監督ティム・ミラーもプログラムを自分で変えた、と証言していました。
それは『ターミネーター:ニューフェイト』の製作インタビュー映像で語られています。
やはり人間の感情や価値観を理解したT-800が、人類を守るためにプログラムを改造したのです。
サラ・コナーのマシーンへの怒り
メールの発信元を探り当てT-800(カール)を玄関先で見かけたサラは、いきなり攻撃を開始しました。
その後もサラの怒りは収まることなく、常に警戒している様子です。その怒りの背景には愛する人を奪われた憎しみがあります。
映画冒頭では息子が殺された
ターミネーターという作品において、サラ・コナーはのちの抵抗軍リーダーのジョン・コナーを生む母親として描かれています。
このジョンが死んでしまうと人類に未来はありません。そのために、サラは自分自身あるいはジョンを守ってきました。
しかし、映画冒頭でT-800にジョンは殺されてしまいます。
一生をかけて守ってきたジョンを殺されたサラは、マシーンに対する憎しみを抱いているのです。
ジョンの父親カイル・リースも殺される
T1で登場する、未来から送られた兵士であるカイル・リースは、サラを守ることがミッション。
そのカイルがサラと愛し合い、ジョンが生まれるのです。しかし、その前にサラをかばってT-800にカイルは殺されました。
つまりサラから見れば、T1で愛する人を、ニューフェイトで愛する息子を殺されたのです。
その状況でマシーンに対して恨みを抱かないわけがありません。だからこそ、カールを見かけた瞬間に怒りをあらわにするのです。
マシーンがどんなに味方をしても、サラは信用していない
T1などでは違いますが、基本的にアーノルド・シュワルツェネッガーが演じているT-800は人間の味方です。
ニューフェイトをT2の正当な後継だと考えても、T2でT-800はサラやジョンを守り通します。
T2のラストではサラとT-800が握手を交わすシーンがありましたが、そのシーンの映し方はこのようなものでした。
(このシーンではT-800の顔半分は皮膚が破れ、中の金属部が見えています)
- ジョンとT-800が映るときは、人間の顔部分のT-800とジョン
- サラとT-800が映るときは、金属部分のT-800とサラ
この演出方法からも、どれだけ自分の味方であってもサラのマシーンへの不信感は変わらないということです。
ニューフェイトでもT-800を本気で信じるというよりは、どちらかというと「利用する」というニュアンスが強く映ります。
愛する人を奪われたサラは、やはりマシーンそのものが嫌いなのです。
まだまだ新三部作の第一弾
先述したように、ジェームズ・キャメロン曰く本作は新三部作の第一弾でしかありません。
REV-9は倒しましたが、これから先何度もREV-9に変わるマシーンは現れるだろうし、リージョンとの戦いも続きます。
ターミネーターの顔であるアーノルド・シュワルツェネッガーは、続編についてあまり積極的ではないようです。
しかし、周りがそうはさせないでしょうし、アーノルド・シュワルツェネッガー自身そう感じています。
さらに製作側では、今後のシリーズで人間とAIの関係を掘り下げる内容が構想として出来上がっているそうです。
その中で、ダニーやサラの戦いやAIと人間の感情が詳しく表現されていくはずです。