一部を抜粋してご紹介をしておきます。
そうさ、そんな時もあった
お前も知っていることだろう
俺ができる以上のことに
⼿を出した時でも
全てやり通した
疑いがあった時には
それを⾷べつくして、
吐き出してやった
全てに⽴ち向かい、
正々堂々やった
そして俺は俺の⽣き様を⽣きた引用:スワロウテイル/配給会社:日本ヘラルド映画
サラリーマンの力「グリコ」
リョウは妹に日本での名前を日本を造ったサラリーマンがグリコを食べて育ったからという理由で「グリコ」と名付けました。
引用:スワロウテイル/配給会社:日本ヘラルド映画
グリコが娼婦になった経緯についてリョウとはぐれたあとなのか、一緒にいる時からなのかはわかりません。
しかしグリコは娼婦になってその名の通り、日本人男性の食いものになりながら「つよく」生き抜いていたのです。
そして、リョウ・リャンキは自分が造った偽札のデータで、シンガーとして有名になったグリコが妹だと知る数奇な運命でした。
リョウ・リャンキの向かう先とは?
カセットテープはグリコやフェイホンの運命を絡めながら、リョウとグリコを繋げていったようにも考えることができます。
人と会う途中のリョウが偶然再会したアゲハから、カセットテープを受け取ったことでリョウの運命は二つに分かれました。
警察は偽札作りと一連の事件はリョウ・リャンキが犯人だと睨んでいるものの、証拠が掴めずスナイパーに暗殺させようと企てたのでしょう。
しかし、リョウが乗っていた車に乗り込もうとして映画はそこで終わります。そのあとリョウはどうしたのかが気になるところです。
カセットを持ってグリコと再会しに行った?
二つの仮説を立ててみましょう。カセットが手元に戻ったことで先へは急がず、妹の元へ会いに行けばリョウは暗殺されずに済みます。
そして、マイウェイの歌詞のように自分が生きてきた道を語り、妹の生きてきた道を聞く時間となれば二人の兄妹は元通りになるかもしれません。
そして今、
終わりがここにある
そしてそう、
俺は終幕に向かっている
お前たち、俺はハッキリと⾔う
俺のことを⾔う
確信していることだ俺は⼈⽣を、限界まで⽣きてきた
俺はそれぞれ、
全てのハイウェイを旅してきた
そしてそれ以上、もっとこれ以上に
俺は俺の⽣き様を⽣きてきたんだ後悔、少しはあるさ
今ここでもう⼀度
⾔うには⼩さすぎるようなことだ引用:スワロウテイル/配給会社:日本ヘラルド映画
カセットを持ってそのまま向かった?
カセットを持って予定通り向かえば証拠を持った状態でリョウ・リャンキは暗殺され、リョウ・リャンキが犯人で事件は一件落着するでしょう。
リョウ・リャンキは死という終幕に向かって行ってしまうのでしょうか?グリコと共に生きていくのでしょうか?
スワロウテイルから伝わったこと
制作された1996年にはPHSや携帯電話も出始めたころでしたが、映画には当時流行っていたそれらのものが小道具として登場しません。
近未来という設定ではありましたが世界観は高度経済成長期の頃のような、アナログでノスタルジックな雰囲気が漂います。
当時の流行りが登場しないおかげで逆に今見ても古臭さがなく、新しさすら感じる美しい作品でした。
コンセプトはお金が全てだったバブル時代の慣れの果てを描いた感じでしたが、2020年代に入った日本は反社会勢力に対しては厳しい時代です。
しかし、親子や兄弟の絆はどうでしょうか?一見、裕福で幸せそうに見えてもその陰で残酷な事件も多く発生しています。
この映画はいつの時代もお金だけでは親子や兄弟の絆は築けず、見返りのない愛や思いやる気持ちが大切なのだと教えてくれた作品でした。