彼はダイヤの代償を自分・愛する人・周りの人々も巻き込み、命の危険に晒すことで支払ったと考えられます。
マルキナとローラの指輪
ダイヤの指輪の値段を知らないローラにマルキナがその価値を教えようとするシーンがありました。
なぜマルキナはわざわざそんなお節介をしようと思ったのでしょうか。その答えもやはりダイヤの警告をする目的があったといえるでしょう。
ダイヤの代償を払うのはカウンセラーだけではなかったということです。
ダイヤを身につけたローラには、ダイヤの価値と同等の代償が必要だったのだと推測できます。
その事実をマルキナはローラに伝えようとしたのに、ローラは拒否しました。
この反応は当たり前ではありますが、目前の危機から目を逸らすカウンセラーと似たようなものなのです。
そしてローラがダイヤの代償として支払ったのは死よりも残酷なものでした。
スナッフ・フィルム
ウェストリーが話していたスナッフ・フィルムに、ローラが利用されたと悟ったカウンセラーの絶望は計り知れません。
なぜローラは殺されるだけでなく、死ぬよりも残酷な結末を迎えなければならなかったのでしょうか。
人質に価値がある
ダイヤの代償に対する人質としてローラが拉致されました。
本来ならばカウンセラー本人がその命をもってして代償を支払うべきなのですが、どうも彼の命より人質の方が価値があると判断されたようです。
それはなぜかというと、命は奪われた時点で価値が失われてしまうのに対して、人質は使い方次第で金を生み出すから。
人質であるローラを使って一稼ぎできるとカルテルは考えたようです。
ローラの利用方法
人質であるローラもただ殺すだけならカウンセラーの命と同等の価値しかありません。
しかし若い女性には、殺す以外にも利用方法が存在します。それがスナッフ・フィルムです。
世の中には若い女性が死ぬ姿を見るのが好きという人間もいて、高い金額を払ってでもそのスナッフ・フィルムを購入します。
特にローラの場合その美しさは誰もが認めるところですから、より高額になることは間違いありません。この金がダイヤの代償になるわけです。
ローラが代償を払ったという扱いになり、カウンセラーへの請求が無くなったと推測されます。
ですからカウンセラーが最後まで殺されずに済んだのはローラのお陰といえるでしょう。
悪の法則 まとめ
全てを失ったカウンセラーは、ダイヤの永遠の価値と人間の有限な美しい命について考えざるを得ないはずです。
そして再三の警告を無視してダイヤを選んだ自分に打ちひしがれ、一生を送るのではないでしょうか。
とても哲学的で分かりにくいストーリーではありますが、人間の本質という誰にでも当てはまるテーマを表現した作品になっています。
カウンセラーの楽天的な判断にイライラした人もいると思いますが、人間は他人のことなら冷静に見れます。
もし自分が彼の立場にいたら同じ事をしていた可能性は否定できないでしょう。この映画のメッセージは「他人の振り見て我が振り直せ」かもしれません。