ですが、母親も若い頃に亡くし自分が妊娠してこの先どうすればいいのか迷っている時に、どう決断したらよいか導いてくれる人はいません。

昔なら未婚の場合「中絶」しか選択肢はないけど、父親がいなくても大人になれたステラには必ずしもそうする理由がなかったのです。

母性はあとからついてくる

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母性とは不思議ですね。我が子と対面しただけで母親としての自覚が芽生えるのですから。

他には何も求めないステラのジェニー中心の生活は、ステラが得てこなかった母親の愛情をかけたいと思ったからでしょう。

その思いは片親だからという理由でジェニーに不自由な思いをさせたくない育児になります。それを彼女は自分のプライドで成し遂げたのです。

スティーブンとの対面

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スティーブンはステラが思っていたほどスカした男ではなく、とても誠実で愛情深い男性でそのことはステラにも通じました。

はじめてスティーブンをジェニーに会わせた時、誇らしい父親として紹介できたことはステラにとっても嬉しく思えたはずです。

愛があるから何でもできる

ステラはそれでもスティーブンからの援助は受けずにジェニーを育てていくのは、根底にあるのが男性や社会的地位への対抗心だからでしょう。

また、ジェニーに他の子と同じように不自由のない体験や学習をさせたことは、自分と同じような人生を送らないでほしいからです。

そして、裏腹にスティーブンへの愛情もあったからこそ、ジェニーをきちんと育てたいという意地もあったのでしょう。

母の心、娘知らず

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ジェニーは優秀な高校生になりました。スティーブンのDNAかもしれませんが努力するところはステラ似でもあります。

そして、思春期で多感な年頃の彼女はステラに似て「男を見る目」もありませんでした。ステラはジェニーに自分の若い頃を見たのでしょう。

ジェニーに素行の悪さや言葉遣いに口うるさく言ったのも、ジェニーがつまづかないように導くためです。

ステラの究極の愛と決心

ことある毎にぶつかり合うステラとジェニーですが、激しく傷つけあってもお互いそれが深い愛情での裏腹であると知っています。

ある日ジェニーが同等に話ができるパットを好きになったのをきっかけに、ステラ自身の存在が二人の仲を裂いてしまうと気づいてしまいます。

そしてジェニーに教養知識が身につくにしたがってステラは、今の生活環境がジェニーの将来と幸せのためによくないと悩むのです。

ステラがスティーブンの恋人ジャニスにジェニーを家族として迎え入れてほしいと懇願したのは、ジェニーに対する究極の愛の選択でした。

ジェニーを手放す時

最初ステラはジャニスにジェニーが手に負えなくなったから引き取ってほしいと嘘をつきますが、聡明なジャニスはすぐに見抜いてしまいます。

そしてジャニスがステラの母親としての努力や苦労を理解してくれたことで、ステラも安心して本当の事情を話しジェニーのことを託せたのです。

家に戻ったジェニーとのこのやりとりで、最後にジェニーが言った言葉でステラは娘を幸せにするための強い決心がつきます。

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