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映画「イン・ザ・プール」は2005年に公開された奥田英朗原作の日本映画です。

短編小説の中から「イン・ザ・プール」「勃ちっ放し」「いてもたっても」を映画化したものとなります。

映画としては異例なほど一つ一つのエピソードに繋がりがなく、特に大きな連続性はありません。

しかし、その分一人一人のキャラ立ちが濃く、伊良部一郎をはじめ基本常識外れな人間のみです。

そんな常識外れな人達が織りなす中で、何故伊良部は患者を快方に導くことが出来るのでしょうか?

そして彼が途中で歌う髑髏の漢字を書くときの歌の真意なども合わせて考察していきましょう。

伊良部一郎、その人となり

「イン・ザ・プール」を考察する上で、伊良部一郎の人となりを見ていかなければなりません。

まずは彼がどういう人物なのか、徹底考察していきましょう。

天才と狂人は紙一重

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伊良部一郎は劇中で誰よりも破天荒で、思いついたことは何でも次々と実行してしまう人です。

一見愛想の良い医者かと思いきや、注射フェチだったりマザコンだったりと歪んだ性癖まで持っています。

しかもその治療の仕方も独特で患者の本質を見抜くような言葉で刺激しつつ、特別な手術などもしません。

しかしながら、彼にかかった患者は何故か例外なく症状が治っているのです。

正に天才と狂人は紙一重という言葉が似合う変態医者ではないでしょうか。

正解が最短ルートで見えてしまう

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結論からいえば、伊良部が患者を快方に導くことができるのは治療法が最短ルートで見えてしまうからでしょう。

本作には三人の患者が登場し、内完治まで描かれたのは二人ですが、どちらも伊良部から核心を突かれています。

それに対して最初こそ反発はするものの、あるタイミングでいつの間にか完治しているという図式です。

つまり伊良部の中では患者と出会い症状を聞いただけでその人の本質まで見抜いてしまうのではないしょうか。

世の中はごく少数ではありながらこのタイプの天才がいて、伊良部一郎もその一人と考えられます。

「病は気から」を本能的に理解している

『病は気から』を科学する: 【左脳系スピリチュアル文庫】僕が見た目も体年齢も20代をキープし続ける理由 1コインで学ぶ真理

こうした一見破天荒で無茶苦茶な伊良部の治療法が凄いのは「病は気から」を本能的に理解していることです。

完治した二人の患者、田口も涼美も結局症状の原因は精神的な問題を抱えていたからでした。

その上で一番大事なことはその精神的な問題が何かを分析して治療してあげることです。

これで全てが解決出来るわけでもないですが、伊良部の治療法は実は一番患者に優しいのかもしれません。

田口のケース

伊良部一郎の人格や治療法をまず理解した上で今度は個々の事例を見ていきましょう。

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