それは悔しかったと思います。しかしそのくらいのことでスコットを殺害しようと思い立つでしょうか。
仮にそのくらい強い憎悪を持っていたとして、その後自分の命も断つ決意をするというのも大袈裟な気がします。
そう考えるとスコット殺害ではなく自殺がビリーの本当の目的だったのではないでしょうか。
自殺を思い立った理由
スコット殺害のシミュレーションを頭の中でしてみた結果、両親のことが浮かびました。
スコットを殺害して自分も死ぬ。そうしたら両親はどんな反応をするだろうかと。
その結果、いつもと変わらずビリーに関心を示さないという結末を容易に想像できてしまったのです。
死ぬということは本人だけでなく周りの人間にとっても重大な事件だと思います。
ビリーは自身の死をもって両親に振り向いて欲しかったのでしょう。
馬鹿ばかしい
ビリーの死を聞いて一番悲しんで欲しい相手は両親です。しかし一番悲しんでくれない相手も両親。
生きていても死んでいても両親からの無関心が変わらないのなら馬鹿馬鹿しくて、死ぬ気にならなかったのだと考えられます。
もう両親に依存しないで生きようと、彼は初めて前向きに考えることができたのです。
そして生きるという結果を導き出せた要因はレイラだったのでしょう。
自分を待っていてくれる人がいる。それだけでよかったのです。
レイラとの未来
復讐を思い止まってから、ハート型のクッキーを買い、店員や周りの人に優しくしていました。
今までのビルには考えられない行動ではないでしょうか。
親に振り向いて欲しい、スコットを殺したいなど自分の事ばかりだったのですから。
彼はレイラと出会って成長したようです。親離れしたビリーはこれから本当の意味で自立できるでしょう。
そして彼の最悪の人生は、最高の人生に変わるのです。
まとめ
この作品はダメ男が運命の女性に出会い、人生が変わる話でしたが、よく考えてみれば一人の女性と出会っただけです。
周りの人からすれば見過ごす程度の変化かもしれません。
しかしビリーの人生は180度変わってしまいました。それは彼の心の中の変化なのです。
考えが変わっただけで人生が変わる。だから自分の事ばかりに目を向けていないで、外を見てみましょう。