組織が巨大になればなるほど会社の常識は強い力を持ちます。
会社への忠誠心といえば聞こえはいいかもしれません。しかし本音は「怒られたくない」だけではないでしょうか。
組織とは結局は人間の集まりです。つまり会社の常識を作っているのは社員達自身。
組織の闇は結局そこで働いている全員で作り上げているのではないでしょうか。
そう考えた時、この映画で描かれた組織の闇が身近過ぎて戦慄させられるのです。
人間は弱い生き物
人間は一人では生きていけません。そのため組織の一員であることは安心感をもたらします。
個人が集団になることで、その性格もガラッと変えてしまうようです。
人間は単体では何もできない
彼らは一人でいる時は真面目で小心者だったりします。しかし集団になると何を起こしてもおかしくありません。
会社という組織に属すると個人の判断は鈍り、不正に手を染める結果をもたらす様子が映画の中で見事に表現されています。
「自分だったらやらない」という個人の意見は組織の中で潰される運命なのです。
楽が不正を招く
組織の悪しき習慣に関わった登場人物達は「私は悪くない」「自分は被害者なんだ」と主張します。
確かに彼らは誰かからの指示に従っただけなのでしょう。上司から圧力をかけられたら断れないことくらい理解できます。
しかしエンディングでも八角が発言していた通り、それではいつまで経っても不正はなくなりません。
権力に負けて自分の意思を捨て、責任を放棄。それはただ楽な生き方を自分が選んだともいい換えられるのではないでしょうか。
そんなありがちな人間の弱さが組織の闇を作っているのかと思うとゾッとします。
まとめ
コンプライアンスが叫ばれる昨今でも、日本企業の不正問題はなかなか無くなりません。
「七つの会議」はそんな日本の社会に対して、このままでいいのかと疑問を投げかけてきます。
この記事で「組織の闇」を一度整理した上で、是非もう一度この作品に触れてみてください。
個性的な脇役の活躍も相まって、闇の渦中にいる人物のキャラクターがより強く感じられるようになるはずです。